日本ではJRAがドバイワールドカップデーと掲載していることからその呼び名が定着している感はあるが、今年から国内で馬券発売もされることだし、そろそろ日本でも国際的標準に則りドバイミーティングという呼び名を一般的にしてもいいのではないかと思うのだが、それはさておき、今年日本馬は過去最多頭数での参戦となるようである。
しかし大阪杯がGⅠに昇格した影響も大きいのだろう、現役日本馬トップ3と言っていいと思う、サトノダイヤモンド、マカヒキ、キタサンブラックの3頭は少なくとも春は国内に専念するようで、例年であれば昨年のドゥラメンテなど、トップホースの参戦も多く日本馬にとってチャンスも大きい、ドバイターフ・ドバイシーマクラシックへの参戦馬は例年に比べ小粒な印象を受ける。
ターフには秋華賞馬ヴィブロスと連覇がかかるリアルスティールの2頭が参戦する予定だったが、残念ながらリアルスティールは回避となってしまった。メンバー構成自体それほどレベルは高くないと思うので、リアルスティールは前走の大敗は気がかりなものの、昨年と同等のパフォーマンスができればチャンスはありそうだと思っていた。ヴィブロスは4歳牝馬でチャレンジャーという立場かと思うが、ベストパフォーマンスを発揮できればチャンスはあるのではないか。
シーマクラシックにはGⅠ2着3回で重賞未勝利と、このレースを2001年に勝ったステイゴールドを彷彿とさせる戦績のサウンズオブアースが出走する。ポストポンド、ハイランドリールという強力な外国馬が出走する点もファンタスティックライトという強力な地元馬に勝ったステイゴールドのときを彷彿とさせ同様の結果に期待がかかる。
ただ、サウンズオブアースがステイゴールドと異なるのはステイゴールドが勝った時代のシーマクラシックはGⅡであったこと、またステイゴールドはシーマクラシック制覇の前に国内でGⅡを勝っていた点が異なる。国内重賞制覇をすっ飛ばして、ある意味飛び級でのいきなりの海外GⅠでどうかといったところかと思う。
メインのワールドカップは一昨年からダートに戻り、芝馬でも、あるいは芝馬のほうがチャンスのあったオールウェザー時代と異なり、日本馬にとっては結果の出ていない厳しい条件に戻ったと言える。オールウェザー時代のドバイワールドカップはアメリカのトップホースなどの参戦も少なくレースレーティングの低い年が多かった。その点でも日本馬のチャンスは大きかったが、レース自体の価値としては賞金だけのレースという印象にもなっていた。
ダートに戻ったことで早速、昨年はカリフォルニアクローム、今年はアロゲートとアメリカのトップホースが参戦し、かつてのようなハイレベルなレースが期待される。アメリカのトップホースに対して近年世界的トップホースがあまり出現していない地元ゴドルフィン勢や日本馬がどのような走りを見せられるか注目ということになる。
そして海外馬券第一弾である凱旋門賞のときから同じことを書いているが、海外馬券を国内で発売する場合に現状では日本独自オッズで発売され、日本独自オッズでは日本馬がブックメーカーオッズに比べ過剰人気することが予想されるのである。
ブックメーカーオッズより配当妙味がある、あるいはブックメーカーオッズと差がないのであれば積極的に日本馬を買いたいところだが、通常通り日本馬が過剰人気するようであれば思い切って外国馬の馬券を積極的に買ってみるのもいいだろう。