中京の日曜メインは、3歳重賞の最初となるシンザン記念です。ここ10年の好走馬を見てみると、2012年の勝ち馬がジェンティルドンナ、2014年がミッキーアイル、2016年2着がジュエラー、2017年3着がペルシアンナイト、2018年の勝ち馬がアーモンドアイ、そして昨年はピクシーナイトが優勝と、後にG1で大活躍する馬を多く輩出しており、“出世”レースとしても知られる一戦です。
今年も出走馬15頭中、新馬戦で3番人気以内に推された馬が8頭もいる素質馬揃いのメンバーとなりました。過去10年のデータと傾向でも記されているように、同レースは波乱傾向が強め。比較が難しいこの時期の3歳馬同士の重賞なら、穴馬から積極的に買っても十分チャンスはありそうです。
そんな中で注目しているのは、新馬戦で7番人気だったイスラボニータ産駒のアールチャレンジです。
アールチャレンジは、新馬戦10着、未勝利戦勝ち、そして野路菊S・7着という戦績の持ち主です。前走の野路菊Sは、2歳オープンではありましたが8頭中7着ということで評価はそこまで高くありません。しかし、未勝利戦勝ちは中々の内容でした。
新馬戦で11頭中10着ということもあり、未勝利戦では14頭立ての10番人気、単勝116.2倍と全く人気がない中、出遅れながら4コーナーから最内をついて差し切り勝ちを果たし、単勝万馬券を演出。大外枠からさらに外に逃げていくという致命的な出遅れでしたが、ハイペースにも助けられたとはいえこの展開を差しきったのは能力がなければできない走りです。
前走の野路菊Sは7番人気で7着と前評判通りの結果。レベルの高い2000m路線で相手も強かったのは確かですが、少頭数で展開が向かなかったのも事実。馬っぷりが良かったり、口を割ったりと気性面の課題がある馬なので、噛み合わない時はこんなもの。見限るにはまだはやいでしょう。
前走に引き続き中京が舞台ですが、距離が2F短縮の1600mとなる点は好材料。父イスラボニータは左回りの3着内確率が80%という左回り巧者でしたし、2戦目のここで秘めた素質が開花するかもしれません。レースっぷりからもわかるように気分屋なところがある馬ですが、うまく噛み合えば素質馬相手でも十分に通用するでしょう。
父イスラボニータの初年度産駒になりますが、まだ重賞勝ちはいません。今回、素質を秘めている気分屋のアールチャレンジがうまく噛み合えば、産駒の初重賞制覇も夢ではないと思われます。実績や前走の敗退からも前評判は低め。激走期待の穴馬として警戒したいと思います。