POGやG1の予想をする際に、どうしても大きな牧場の生産馬、有力クラブの所有馬などに目がいってしまう傾向があります。○○ファーム生産馬という肩書きに躍らされることが多いのではないか。今年の高松宮記念の勝ち馬セイウンコウセイは社台でもノーザンでもノースヒルズでもない牧場の生産馬。小さな牧場からでも大物は出てくるわけです。今回はそんな北海道でがんばる小さな牧場から生まれた仔馬のお話。
新冠町のつつみ牧場で、同牧場生産馬でもあるアスカクリチャンの初年度産駒が誕生しました。アスカクリチャンは父スターリングローズ、母ローレルワルツ、近親にシグナスヒーローがいる血統の10歳馬。重賞で人気を背負ったことはありませんが、穴党には人気の1頭だったのではないでしょうか。
初年度産駒として生まれた本題の仔馬は、母オーデコロンの牡。語呂もよい2月22日に生まれました。現在も父が過ごした牧場で育っており、順調にいけば今後は庭先取引か、父と同じく1歳馬のセールへの上場を予定されています。
サンデーサイレンス、キングマンボの血は複数の産駒を種馬に脈々と受け継がれています。アスカクリチャンの祖父もキングマンボ同様ミスタープロスペクター系のアフリートですが、日本では前者に比べると先細り気味。ダート血統かと思われましたが、スターリングローズをはさんで芝馬で活躍したアスカクリチャンが受け継いで今もがんばっています。
零細牧場というと響きはよくないですが、小さな牧場からでも大物が輩出されるのは先述のセイウンコウセイしかり、またテイエムオペラオーしかり、これまでも枚挙にいとまがありません。大手は絶対数こそ多いものの割合で言えば超大物競走馬の現れる確率は低いもの。どこからヒョイと生まれてくるかもわかりませんので、今後とも、アスカクリチャンに限らず、目立たない種牡馬にも注目していきたいものですね。