15日(土)の阪神メインレースは第22回アンタレスステークスが開催。昨年はアウォーディーがアスカノロマンを降して優勝。その後はJBCクラシックを優勝し、ドバイへ挑戦と大きく飛躍した。2014年のJRA最優秀ダートホース・ホッコータルマエもこのレース後にG1戦線で飛躍を遂げた馬。ダート中距離路線を展望する上では見逃せない一戦であるとともに、ここからの大物誕生も期待したい。
人気の中心となりそうなのは前走東海ステークスの覇者グレンツェント。タイムはそこまでだったが、今年初戦の休み明けでも余裕のある走りで勝ってみせたという印象がある。安定感のある馬で、阪神コースは初でも得意なこの距離なら重い印は十分に打てる。
気になる点は「斤量」の一点のみ。前走の東海Sを快勝した時の斤量は55キロで今回は3キロ重い58キロとなる。馬格のある馬だけにカンカン泣きの心配は先ずないとみるが、付け込む隙があるとしたらここだろう。
対抗筆頭格としては、逃げて良し、追い込んで良しの自在脚質を手に入れたミツバが最有力。自在の脚を手に入れ展開に左右される事も少なくなった印象がある。これはかなり大きく、実際にレースが始まってみないと分からない部分が多いが、それでも自分の競馬ができる馬というのは大きな強みだ。
とは言え、その他の馬を見渡してみてもグレンツェントが脅威に感じるレベルの馬は正直見当たらない。最大の敵は他の競走馬よりも斤量と言ったところだろう。これまでは斤量の恩恵を受けていた立場だったが、これからは逆になってくる。それでも昨年の今頃はほぼ無名の2勝馬だったことを考えると、この1年の驚異的な成長力は素晴らしく、斤量が増えても十分他馬に差はつけれていると感じる。過去の勝ち馬がそうしたように、今後のダート界を背負った立っていく逸材になれるかどうかが見ものだ。