障害界のディープインパクト、いや、最初苦労してきているぶんナリタブライアンのほうが近いでしょうか。何にせよ他を圧倒する強さを誇るような形容がふさわしい戦績を残してきているオジュウチョウサン。石神騎手、陣営も障害転向後にまさかここまで成長するとは思っていなかったことでしょう。
まだ本格化する前のオジュウチョウサンのG1初挑戦となった2015年の中山大障害では着順こそ6着とまずまずでしたが、3着と4着の間に大差がつき、1着のアップトゥデイトとはおよそ25馬身の着差となりました。その差をわずか1年足らずで逆転してしまうのだから、馬の成長力とは恐ろしいもの。アップトゥデイトもやや衰えを見せてきたとは言えまだまだハイレベルな競馬ができていますが、あまりの相手の成長に一度抜かれてしまってから追いつけない感じになっています。
そんな絶対王者が、ハンデ戦ならともかく定量戦で負けるはずがない。昨年の中山グランドジャンプ、中山大障害の内容を見れば、今年のメンバーならなんてことはないはず!と思われるかもしれませんが、今回オジュウチョウサンに立ちはだかる危険な罠が「初の中4週」での競馬という点。これだけの馬ですから、そんなの関係ねえ!と思われるかもしれませんが、ここまでの5連勝はどのレースも間隔を大きく開けて使ってきています。
そう考えると中4週ではひょっとしたら回復しきれていないかもしれない可能性が出てきます。これに呼応してか、間隔を詰めて中2週で参戦してくる陣営が多く、こちらは反対に中2週の成績がいいことが挙げられます。人気どころではワンダフルワールド、メイショウヒデタダ、人気薄の中ではティリアンパープル、アイティテイオーが該当になりますが、すべて中2週での勝ち星があります。
普段とは異なるローテーションで参戦する絶対王者に食らいつく刺客が上記の中にいないとも限りません。先週の桜花賞でも連勝中のソウルスターリングはまさかの3着。競馬に絶対はないだけに、見逃せないデータではないでしょうか?