今週の中京競馬場では、3歳重賞きさらぎ賞が行われます。関西で行われる3歳重賞としては、シンザン記念に次ぐ2番目に行われるレースですが、例年出走頭数が少ないことが多く今年も11頭だけと寂しいところです。
ただ、シンザン記念が1600mなのに対して、それより長い距離2000m(通常は京都開催1800m)で行われることもあってか、クラシックを狙う馬がより出走してくることが多く、過去10年でもワールドエースやルージュバック、サトノダイヤモンドなどの活躍馬が好走しています。
そんな中、今年の11頭の中で注目しているのは、ザファクター産駒のショウナンマグマです。ザファクターというとあまりなじみのない種牡馬ですが、2018年の1年のみリースで静内種馬場で併用されたのだそうです。生産者の気持ちを考えると今年1年に掛ける思いは、かなりのものがありそうです。
ショウナンマグマは、デビュー戦が9番人気で今回の出走馬の中で、デビュー戦人気が一番なかった馬です。ザファクター自身が短距離の快速馬だったので、2000mのデビュー戦は適性外と判断されたのか人気はなかったのですが、逃げて勝馬と0.8秒差の6着となかなかの適性を見せてくれました。
2戦目の1800mで勝ち、3戦目の葉牡丹賞(2000m)では勝馬と0.1秒差の僅差4着と好走し、血統に反して中距離で走れることを証明しました。前走比プラス10キロとやや重め残りの仕上がりだったにも関わらず、勝ちにいっての競馬を見せてくれた点は高く評価したいところです。生産者もクラシックへの期待を抱いていることでしょう。こういった血統以上の走りを見せてくれる馬は、なかなかの素質の持ち主の可能性もあります。
また、3戦とも違う競馬場で安定して人気以上に走れている点も魅力で、それは競馬が上手な証拠です。若い経験の浅い3歳馬同士なら、この競馬の上手さは貴重な武器になりえます。さらに、G1ホープフルステークスに出走した馬が3頭、その他重賞出走馬も2頭いますが、何気に2000m芝の持ちタイム2分00秒7は、2000mを走ったことのある他の10頭の中で一番速いのです。持ち時計の速さを考えてもここは激走する可能性十分。
ということで、素質を秘めて持ち時計のあるザファクター産駒のショウナンマグマが、見事下剋上を果たしてクラシック路線に進んでくれることに期待して応援したいと思います。