ダービーへの切符も残り少なくなってきたが、その数少ない中でも最大とも言える3枚の切符が手に入るのが青葉賞。その青葉賞の出走頭数が今年はなんとたったの12頭となっている。過去10年を見ても9回が16頭立て以上で、そのうち7度も18頭立てのレースが開催。昨年が過去10年で最低と言われていた13頭立てだったが、今年はさらにそれ以下の12頭というのだから驚きだ。
あの青葉賞も地に落ちた・・・という感はあるが、それでもダービートライアル。その昔、ダービー馬は最も運がいい馬が勝つという格言があったが、3枚もの切符があるトライアルが12頭立てというのは、確率を考えれば実に運がいいとも言えるだろう。
そういう意味でも今年の青葉賞組は例年以上に運がいい訳で、ダービー本番でも侮れない馬がいてもおかしくない。そんな今年の青葉賞で一番運がありそうな馬は?と考えた時に浮上してくるのがサーレンブラントだ。
人気もない、実績もない、近走も悪いが・・・”運”はある?
サーレンブラントの通算成績は[1-0-0-3]で4戦して1勝のみ。未勝利後は500万に2度出走し7着、5着と、正直なんてことはない結果である。例年であれば青葉賞にも出走できたかどうか怪しい成績だが、今年はこの頭数だし出走できていること自体が奇跡のようなものだ。
さらに、今回距離実績がありながらノーマーク的存在であることも非常に面白い。多くの陣営がダービーを目標にしていながらも、それまでのレースで2400mという番組を使うことは実に少ない。2400mのレース経験はかなりのプラス材料となるはずだ。
2400mを経験したことのある馬は12頭中4頭。素質馬で人気のアドミラブルをはじめ、ルーラーシップ産駒のイブキ、ステイゴールド産駒のダノンキングダム、ディープインパクト産駒のポポカテペトル、そしてサーレンブラントがいる。
2400m経験馬の中でサーレンブラント以外の3頭は前走で2400mを経験しており、サーレンブラントだけが3走前に経験。直近で経験している方がより有利のように思えるが、次走ダービーと考えると3戦連続で2400mを走ることになるので疲労の方が心配になってくる。その点、サーレンブラントは2400mの経験を積みながらも前走は2200mとやや短めで力を温存できた感はある。2400mを走ったのは未勝利戦だが、新馬戦からここへ挑んだ時の上昇度はかなり大きかったし、成長もあるが2400mという舞台も合ってそうだ。
前走の500万での連敗は人気も相当落ちてくることだろう。しかし、やはり未勝利戦の2400mでの勝ち方は評価が高い。16頭立ての13,14番手を進みながら、最後の直線でじわじわと追い上げて差し切っただけでなく、2着馬を0.4秒もちぎっての完勝。ことを考えると2400mの適性はむしろ上位のはず。適性のある2400mに戻ったことで好走の下地も十分にあると考えて良いだろう。人気が落ち、マークもされないならなおさら狙ってみたくなる。
人気もない、実績もない、近走も悪い、でも運だけはありそうな馬、それがサーレンブラント。今年の3歳戦は波乱の多いレースが続いているが、今回はこのサーレンブラントが波乱の立役者となるか?狙ってみる価値はありそうだ。