今週の中山競馬場のメインレースは中山記念です。唯一のG1馬ダノンザキッドが、昨年マイルチャンピオンシップ3着で実力を証明したレースからの復帰戦ということで、実績からも中心となる様相ですが、器用な競馬が出来るタイプではなく、他の馬にもチャンスは十分あると言えるでしょう。

そんな中で注目しているのは5歳牝馬マルターズディオサです。マルターズディオサは4歳時の牝馬クラシック3戦をフル参戦し8着、10着、7着と上位に来ることはできませんでしたが、チューリップ賞、紫苑ステークスとトライアルの重賞を2勝してます。クラシック最終戦秋華賞以後、G1・2戦、G2・2戦、G3・3戦と重賞ばかりに出走し、G2で2着と3着が一度ずつと決して悪くない結果を残しています。

ところが、前走東京新聞杯で15着と大敗したことから、強い牡馬相手のG2では難しいという見方もあり、評価は落ちているような印象。しかし、今回は出走馬に逃げ・先行馬が多数参戦。有馬記念でも逃げたパンサラッサを初め、コントラチェック、トーラスジェミニ、ワールドリバイバル、ウインイクシードと前目で競馬をするタイプが勢揃い。過去の中山記念はどちらかと言うと、少頭数で先行馬決着ということが定番になっているのですが、どうやら今年は例年のような先行馬有利にはなりそうもありません。

ダノンザキッドは気性面が課題だけにハイペースになるのは、プラスになるでしょうが、人気の分、有力先行馬を簡単に逃がす訳にはいかない立場になるでしょう。それはダノンザキッドを目標にする人気差し馬達も同じことになります。その点、今回評価が下がっているマルターズディオサは、本来の差し勝負でじっくり脚を溜めることができそうです。直線で綺麗に末脚が嵌る景色を見れる可能性は十分にあるでしょう。

ということで今年の中山記念は、ハイペース必至のメンバー構成でマルターズディオサが差し脚を活かし、3つめの重賞制覇を果たしてくれることに期待して応援したいと思います。