始めに過去2年の重賞競走、本年の先週までの重賞競走とマーチSを比較をし、人気サイドで決まりやすいのか、または波乱が起きやすいのかを判断します。
下記の表を元に考えますと、1・2番人気ともに馬券圏内が1度、ワイド馬券を買い続けた際の回収率が36%となります。1・2番人気ともに馬券圏外は2度ですが、3連複の万馬券が6度もあります。荒れる重賞と言い切れるデータになります。
- | 2020年 | 2021年 |
---|---|---|
人気両立(回・%) | 35 (27%) | 30 (23%) |
人気着外(回・%) | 24 (19%) | 26 (20%) |
3連複万馬券(回・%) | 66 (51%) | 63 (49%) |
ワイド払戻金 | 10,380 (80%) | 8,070 (63%) |
- | 2022年 |
---|---|
人気両立(回・%) | 7 (22%) |
人気着外(回・%) | 4 (13%) |
3連複万馬券(回・%) | 12 (38%) |
ワイド払戻金 | 2,860 (89%) |
- | 過去10年 |
---|---|
人気両立(回・%) | 1 (10%) |
人気着外(回・%) | 2 (20%) |
3連複万馬券(回・%) | 6 (60%) |
ワイド払戻金 | 360 (36%) |
※ 人気両立は「1・2番人気ともに馬券圏内」、人気着外は「1・2番人気ともに馬券圏外」、ワイド払戻金は「1・2番人気でワイド馬券を全レース購入したときの回収率」をそれぞれ示す
なぜ荒れる決着になるのか、過去10年間の勝ちタイム、前半5F・上がり3Fのタイム、1・2番人気の単勝オッズと着順の関連性、3連複のオッズから調べてみます。
開催年 | 勝ちタイム (前半5F-上がり3F) | 1番人気 | 2番人気 | 3連複オッズ |
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2021 | 1:51.0(59.7-39.0) | 1.4倍(着外) | 11.5倍(2着) | 214倍 |
2020 | 1:51.3(62.0-37.5) | 2.7倍(1着) | 5.3倍(着外) | 214倍 |
2019 | 1:52.3(62.5-37.7) | 3.8倍(着外) | 5.2倍(着外) | 2127倍 |
2018 | 1:52.1(61.7-37.8) | 2.0倍(着外) | 6.1倍(1着) | 290倍 |
2017 | 1:52.0(60.7-38.6) | 3.7倍(着外) | 5.4倍(2着) | 838倍 |
2016 | 1:52.7(63.3-37.3) | 2.6倍(2着) | 5.5倍(3着) | 56倍 |
2015 | 1:52.7(61.9-38.2) | 3.5倍(3着) | 5.0倍(着外) | 74倍 |
2014 | 1:51.2(60.7-37.7) | 2.6倍(着外) | 4.1倍(2着) | 60倍 |
2013 | 1:52.6(61.9-38.2) | 3.4倍(着外) | 4.1倍(1着) | 41倍 |
2012 | 1:51.0(61.4-37.6) | 3.5倍(着外) | 5.7倍(着外) | 4262倍 |
1番人気が馬券圏内が3度しかなく、1着も1度しかありません。一方で2番人気は6度馬券圏内があります。信頼度は2番人気の方が上と判断できます。
マーチSが波乱傾向が強いと判断はできましたが、コース形態も要因があるのではないかと思い、中山ダート1800mのOP競走も同様に波乱が多いのか調べてみました。
開催年 | 勝ちタイム (前半5F-上がり3F) | 1番人気 | 2番人気 | 3連複オッズ |
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2020.1.12(ポルックスS) | 1:52.7(63.6-36.9) | 2.6倍(1着) | 3.8倍(着外) | 347倍 |
2020.3.8(総武S) | 1:52.9(63.4-37.2) | 2.6倍(1着) | 5.4倍(着外) | 24倍 |
2020.9.20(ラジオ日本賞) | 1:51.6(61.6-38.0) | 3.2倍(着外) | 5.0倍(着外) | 383倍 |
2020.12.12(師走S) | 1:52.4(61.7-38.3) | 4.6倍(着外) | 5.9倍(2着) | 67倍 |
2021.1.10(ポルックスS) | 1:54.0(63.9-37.8) | 3.4倍(1着) | 5.2倍(着外) | 26倍 |
2021.3.7(総武S) | 1:53.5(63.0-38.4) | 3.8倍(着外) | 4.9倍(着外) | 256倍 |
2021.9.19(ラジオ日本賞) | 1:50.7(60.5-38.2) | 3.8倍(着外) | 5.7倍(着外) | 92倍 |
2021.12.11(師走S) | 1:51.0(59.5-39.1) | 2.2倍(着外) | 5.4倍(着外) | 1572倍 |
2022.1.9(ポルックスS) | 1:53.2(62.3-38.2) | 4.3倍(1着) | 6.7倍(着外) | 1940倍 |
2022.3.6(総武S) | 1:54.1(63.9-37.8) | 1.6倍(1着) | 4.0倍(2着) | 25倍 |
全10レース中、1・2番人気ともに馬券圏内が1度のみ、1・2番人気ともに馬券圏外が4度、3連複万馬券が5度もあり、中山ダート1800mのコースが荒れやすいとの傾向も分かりました。
ここで人気馬が不振になるレースには何か共通点があるのではと思い、調べてみました。
ダートの競走はタフなコンディションになれば、荒れやすいと考える方が多いのではないかと思います。私もそう考えていました。ですが、傾向は違いました。勝ちタイムが1.50.0〜1.51.9の間で決着したレースが7回ありました。その内、1番人気が馬券に絡んだのは1回、2番人気も2回しか絡んでいません。3連複の万馬券も5回出ており、42万馬券が出たこともありました。今週末は天気が崩れる予報が出ており、時計の早い決着が見込まれます。
波乱要素が多いと言える中で、人気馬を調べてみます。初めにオメガレインボーから。
前走の根岸Sは5着に敗れたものの、昨年6月の東京OP特別を勝利した後に重賞で3連続馬券圏内の実績があります。良績を残しているのが1600mと1700mの競走であり、1800m戦は昨年14番人気ながら4着に入ったマーチS以来で2度目になります。同レースでは4角最後方から36.7の末脚を発揮し3着馬と1/2馬身差まで迫りました。人気薄だったこともあり、思い切ったレースができた上での結果かもしれません。今回は人気を背負う立場であり、どのようなレースをするかがポイントになりそうです。カペラS・根岸Sと短距離のレースを使ってからの参戦はプラス材料ではないかと思いますが、どうでしょうか。
次にブルベアイリーデについて。
3歳時に出走したレパードSで4着に負けた後、1400mと1600m戦を使われOP特別を勝利したことがありましたが、重賞で馬券圏内に入ったことはありませんでした。
ですが、昨年夏の1800mのOP特別を勝利したことで距離に不安がなくなったこともあり、シリウスS・東海Sと3着に好走しました。一見すると、今回も好走できるのではないかと想像がつきますが、同馬はデビュー以来、中山コースが初めて、かつ右回りの競走も2年前のプロキオンS(14着)以来になります。関西馬でありながら右回りの京都・阪神コースを避けてきたのではないかと思いたくなります。
今回、人気に押される2頭に関しては不安要素が多いと判断ができます。今週行われる4つの重賞競走のうち1番波乱要素が多いレースと言い切れます。どのような決着になるのかとても楽しみです。