ジャパンカップが日本初の国際G1として創設され国際招待競争として外国馬を広く募ってはいるものの、最近では有力な外国馬がジャパンカップを避けて行くようになっています。日本で種牡馬となっているファルブラヴが2002年のジャパンカップを制していますが、それ以降外国馬は勝っていません。それに加えて、同じく国際招待競争である暮れの香港国際競争はレース体系がスプリントから2400mまでバリエーション豊富なのに対し、日本はそこまでのラインナップを揃えられていないのも一因かもしれません。
ジャパンカップの賞金は世界と比較してもかなりの高額の部類ですが、それでも有力どころが来てくれない理由として他に考えられるのは、馬場があまりに欧州と違い、タイムが速い高速馬場が嫌われている、さらに慣れない左周り、などがあるのかもしれません。
そんな中、日本を気に入ってリピーターとして来てくれていたのは、障害G1で安定の成績を誇り中山グランドジャンプを三連覇したカラジ。そして、エリザベス女王杯でたびたび日本馬の前に立ちはだかったスノーフェアリー。この2頭に関してはもちろん日本の馬場が合ったのもありますし、輸送に慣れていたのも大きいのかもしれません。とはいえこれは最近ではレアケースといえるでしょう。
そうして、高額賞金だけではなかなか来てもらえなくなったジャパンカップを支えるべく、年末のグランプリ有馬記念が2016年から賞金を上げることになりました。これまでも、日本では当たり前のように組まれていたジャパンカップから有馬記念へのローテーションですが、海外の陣営からはなかなか受け入れてもらえず、ジャパンカップは出走しても有馬記念は出走しない、というケースが続きました。
今回の措置で、ジャパンカップから有馬記念、というローテを組んでくる有力な海外馬が出走なるかどうかも注目が集まります。馬券を買う側からすると、本賞金がいくらというのはそこまで気になりませんが、そのおかげで出走メンバーのレベルが上がるのであれば大歓迎ですね。