いよいよ春のスプリントチャンピオン決定戦となる高松宮杯が行われます。昨年の最優秀短距離馬グランアレグリアが引退し、昨年のスプリンターズステークスの勝馬ピクシーナイトが怪我で不在という状況でしたが、揃ってみると今年の高松宮杯は例年以上にハイレベルのメンバーが集結したようです。
実績的にはNo1のレシステンシア、マイルG1路線からサリオス、2歳チャンプが復活気配のグレナディアガーズ、幻のG1馬クリノガウディーといった4頭(実質3頭?)のG1馬に加え、阪急杯1着で2020年高松宮杯3着のダイアトニック、阪急杯2着で昨年の高松宮杯4着のトゥラヴェスーラ、そしてスピード一線級ながら気性が災いしていたメイケイエールも前走シルクロードステークスを制して挑戦してくるなど、有力馬の多くが好調でGⅠ勝利を目指せる状態で臨んできました。
こんなに有力馬が好調で集結してくるというのはなかなかないほど、かなりのハイレベルメンバーのハイレベルな争いになりそうですが、そんな中注目しているのは7歳牡馬のライトオンキューです。
ライトオンキューは、昨年の高松宮記念にも出走し17着と大敗しています。この時は、最後の直線で伸びそうでずるずると交代する競馬でしたが、鼻出血を発症していたそうで参考外のレースだったかもしれません。
その後、ほぼ半年の休み明けで京阪杯に出走し7着から、今回の挑戦となりました。今年は有力馬が好調でかなりのハイレベルな争いの中で、この成績では単純に考えれば難しいでしょう。
それでも、この馬の思い切りの良さには期待したいところ。当日は雨予報なので馬場が悪化すれば、有力馬達が実力を出し切れない可能性も高まります。タフな馬場に苦しむ可能性が高い有力馬も何頭か挙げられますし、逆に重馬場適性の高さをアドバンテージに上位争いを演じそうな人気薄も出てくるでしょう。そのチャンスを活かせるためには、思い切った勝負が必要なのです。
今回ライトオンキューはデビュー以来21戦目にして初めてのブリンカーを着用します。昨年の17着は鼻出血でしたが、鞍上はその時と同じ横山典騎手が騎乗します。もともと思い切った騎乗をしてくる横山典騎手です。昨年のリベンジを思い切って狙ってくるはずです。先週の坂路調教では、49.6秒というかなりの時計を思い切って出しています。とにかく今回のライトオンキューは、思い切ったことばかりしてきているのです。他の有力メンバーはかなり強い、でも思い切りが嵌れば小さなチャンスがつかめるはず。そう思って、思い切ってきていることでしょう。
ライトオンキューの馬名の意味は、「思い切った通りに」だそうです。ということで、今年の高松宮杯は、かなりのハイレベルの中、重馬場開催となりそう。そんな中、思い切りが嵌りそうなライトオンキューが驚きの結果を見せてくれることに期待したいと思っています。