春の牝馬チャンピオンを決めるヴィクトリアマイル。近年増えたGⅠの中でも一番面白く予想も観戦もし甲斐のある素晴らしいレースと言えます。そんなヴィクトリアマイルは、今年も17頭と頭数が揃っただけでなく、ミッキークイーン、レッツゴードンキ、クイーンズリングといったG1馬をはじめ、怪物と言われたルージュバック、京都記念ではマカヒキを差して2着に好走したスマートレイアー、過去5戦連続上り最速をマークしているステイゴールド産駒のアドマイヤリード、その他にもアットザシーサイドやデンコウアンジュ、フロンティアクイーン、ソルヴェイグなど重賞戦線で活躍した活きのいい4歳馬が出走し、牝馬チャンピオンを決めるにふさわしいレベルも質も高いメンバーとなりました。
そんな中で、今回狙いたいのは出走馬中重賞経験の2番めに少ない馬、ジュールポレールです。ジュールポレールはディープインパクト産駒で半兄にはマイルチャンピオンシップを勝利したサダムパテックがいます。血統的には注目されてもいい馬なのですが、デビューが3歳の4月の未勝利戦と遅かったこともありクラシック路線には間に合わず、条件戦を一歩ずつ勝ち上がり2走前の1600万の勝利でようやくオープン入り、前走の阪神牝馬ステークスが初重賞でした。
初重賞ながらも500万からの3連勝中だったことで4番人気に推されたジュールポレールは、最後の直線でいったん抜け出したものの、ミッキークイーン、アドマイヤリードという末脚のしっかりとした馬達に差されての3着でした。今回のヴィクトリアマイルは、さらに直線の長い府中となりますし、メンバーもより強くなってきます。しかし、初重賞でのあのような横綱競馬をして3着に好走したというのは、よほどの能力がないと出来ないものです。初めての重賞の経験は重賞常連の馬達よりも大きな上積みとなることでしょう。また、前走阪神牝馬ステークスは、雨で重馬場だったため粘りきれず差しきられてしまいましたが、より馬場のいい府中ならば速い時計の争いになります。そうなると、直線が長くなろうが、相手が強くなろうが、ジュールポレールがそのまま先行抜け出してくれる期待感は高まります。
さらに、お兄さんのサダムパテックはマイルチャンピオンシップを勝利していますが実は左回りの方が得意な馬で、重賞5勝中3勝が左回りで、東京開催だった皐月賞でもオルフェーブルの2着と好走しました。一方でジュールポレールは、実はこれまで左回りを一度も走っていません。兄同様の特性を受け継いでいるとしたら、左回りによる上積みまで考えられます。
以上のことからも、ヴィクトリアマイルはジュールポレールが実績馬達を尻目に好タイムで快勝してしまう可能性がかなり高いとみています。ニューヒロインの誕生も十分ありえますよ!!