日本におけるフランケル代表産駒と言えばもはやソウルスターリングで異論の余地はないでしょう。昨年デビュー当時の評価ではミスエルテもソウルスターリング以上と目されていましたが、3歳になって明暗がくっきり分かれてしまいました。年末の朝日杯FSで牡馬と戦ったダメージを引きずっているのか、皐月賞参戦のファンディーナも同様に、歯車が狂ってしまった印象もあります。
そんなミスエルテですが、お母さんのミスエーニョは今年も産駒を誕生させています。その名もミカリーニョ。父がフランケルからハーツクライに代わり、美浦・木村哲也厩舎に所属予定です。父フランケルより距離延長歓迎の血統背景だけに、桜花賞、オークスと夢がふくらむ2世代目となります。吉田勝己氏の「姉よりもこの時期の完成度が高い」と言う評価を字面通りに受け止めれば期待値は高いですが、ミスエルテよりもさらに早熟という見方もできます。とはいえ、今年の牝馬クラシックで人気を背負ったリスグラシューや、ハープスターを破ったヌーヴォレコルトを輩出している種馬だけに、2歳で終わる血統ではなさそうです。
そして注目は「1歳のときにパっと見てビックリした。感動した」とまで評価をしている木村調教師の頼もしいコメント。まだG1勝利にはいたっていませんが、NHKマイルカップ2着のアルビアーノを管理、さらに今年のオークスにフローレスマジックを出走させており、POGファンからすると欠かせない穴厩舎のひとつになっています。血統面、そしてPOG関連の雑誌でもカラー写真で掲載されていることもあり、人気はしそうですが、ぜひ覚えておいてほしい1頭です。