今年で最後?毎年6月恒例クラス替えの降級制度

今年も6月を迎え降級馬が同じ条件で再び戦えるシーズンがやってきました。既に勝ち上がった条件をもう一度使う事ができるわけですから、降級馬は思う存分幅を利かせることができます。対象となるのは4歳馬なので一般的には能力の衰えもない脂の乗った競走馬として良い時期です。

1000万下条件を勝ったあと準OPでも好勝負を演じているような馬が再度1000万下条件へ出走すれば格上となるのは自明の理です。少々ずるくも見えますが定められたルールのため仕方ありません。当然人気も集めますが、過剰に人気を集めるケースもあるため逆張りをする方が現れるのもまた必然の流れと言えます。

降級馬と一言でまとめても中には全く怖くない馬もいれば、絶対に戦いたくないという馬まで幅広くいます。5月頭に勝利した条件を再度そのまま出走するようなローテーションもありますが、これは逆らいづらいですね。前走がフロックであればまだしも、基本は同条件内では能力上位であるのは間違いありません。一方で、2歳の早い段階で勝ち上がったのちに鳴かず飛ばず、ついにはここで降級となった馬は早熟馬の可能性が高く、同じ降級馬と言えども能力は測りづらいものです。

人気を集める降級馬ですが、イコール絶対優位というわけではありません。ここで裏をかくことができれば大きな配当を手にすることができます。特に圧倒的一番人気を避けて手にする馬券の爽快感は格別です。G1ばかりが競馬ではなく、こういった変化のあることも競馬の楽しみの1つと言えるかもしれませんね。

降級制度も今回で最後か?来年夏から廃止へ向けて協議中

競馬ファンにとってはおなじみの降級制度ですが、初心者にとっては非常にわかりづらいシステムであることは間違いありません。元々がわかりづらい賞金体系に輪を掛けるように理解を妨げるシステムは、現在のテレビCMでも明らかにターゲットとしている競馬初心者を遠ざける一因となりかねません。

一方で、降級によって現役の競走生活が延びる馬がいるというのもまた事実としてあり、降級がなくなることで馬主業が続けられなくなるという方がいないとも言い切れません。馬主をされている以上は一般レベルで見れば生活に困窮するようなことはありえませんが、競走馬を維持するという点でいえばギリギリでやりくりされている方もいらっしゃるかもしれません。巨額が投資される競走馬の運用方法に直結するため、そう簡単に改革を進めることはできないようです。果たして来年以降も降級制度は続くのか続報が待たれます。