北の大地で復活なるか?アンコイルド物語。

転勤はつらいものです。ただ、人間ならば自分の意思が多少は反映するだけにまだましかもしれません。家族のこと、自身の将来のこと、いろいろ考えることはありますが、少なくとも「選択の自由」は与えられているわけです。ところが自分の意思に関係なく、転勤を余儀なくされたら・・・今日はそんなお話です。

ジャスタウェイ・ジェンティルドンナのワンツーで決まった2013年の秋の天皇賞。その4着に食い込んだのがアンコイルドでした。父のジャイアンツコーズウェイは日本ではスズカコーズウェイなど、ダート血統に見られることもありますが、出世した馬を見ると芝での活躍も目立ちます。

5歳のときにはクイーンエリザベス2世カップにも出走するなど、オープンで長く活躍したアンコイルドですが、6歳秋の福島記念を最後に南関東へ移籍しました。元中央のオープン馬だけに活躍が期待されましたが、この一年と少しのあいだ7レースに出走しましたが未勝利となりました。今年で8歳にもなり、この流れだと「乗馬」という選択肢もありそうですが、まだまだ競走生活は終わらないようです。

現在はホッカイドウ競馬の若松平厩舎に所属し、再々出発をはかることになりました。これで生まれ故郷→中央競馬→南関東→ホッカイドウと転勤が3回目。本人も忸怩たる思いがあることでしょう。とはいえ、ホッカイドウ競馬といえば藤田伸二元騎手が戦線復帰という噂もある競馬。奇しくも中央競馬のオープン馬とG1ジョッキーが顔を合わせることになるか、あるいは中央では騎乗することのなかったアンコイルドの手綱を改めて取るなどという話も有り得るだけに夢も膨らみます。

まずはアンコイルドはゲート試験に合格し、目標はコスモバルク記念とのことで、現在調整を続けています。南関東の水は合わなかったかもしれませんが、今回の転勤先ホッカイドウでは函館記念2着、札幌記念3着など、北の大地でレベルの高い競馬をしてきました。函館・札幌競馬場での想い出もよみがえり、ひょっとしたら今までのうっぷんを晴らす圧巻の競馬を見せてくれるかもしれません。