今週の日曜日は、3歳牝馬クラシック第二弾「オークス」が行われます。桜花賞馬スターズオンアース、2着のウォータナビレラと連対した2頭に加えて、ここ10年で2頭オークス馬が出ている忘れな草賞を快勝したアートハウスや、フローラSを勝利したエリカヴィータなど、好メンバーが揃いました。
その中で注目しているのは、桜花賞5着だったピンハイです。桜花賞5着という素晴らしい実績があるにもかかわらず、そこまで人気が上がりそうもないのは、父親がマイラーのミッキーアイルだからかもしれません。確かに血統を考えれば、快速馬ミッキーアイルの仔が2400mのレースを走るというのは考えにくいでしょうし、これまでの代表産駒メイケイエールやナムラクレアは、ともに短距離芝の重賞馬ですからなおさらかもしれません。ただ、馬体を見る限りではミッキーアイルの面影はなく、中距離以上を走りそうな馬体です。
また、実績以上に評価したいのは、この馬の持つ勝負根性です。ここまで3戦してきましたが、いずれのレースも前が詰まったり進路がなかったりと厳しい競馬をしてきました。それでも必ず狭いところをこじ開けたり、進路を大幅に変えながらも鋭い差し脚は発揮しています。
桜花賞では、パーソナルハイの進路を邪魔してしまったのはパーソナルハイを応援していた人たちにとっては評価を下げたくなる点でしょう。ただ、そこをこじ開けようとしたのは馬の勝負根性があったからこそ。勢いは優勢でしたし、直線ではしぶとく伸びてメンバー最速の上がり3F33秒4の脚を使っています。遅れてしまったのはやはり窮屈なポジションだったことが大きく、進路さえあれば勝ち負けに加わっていたと見ます。
スムーズな競馬さえ出来れば、2400mでも根性でスタミナ不足をカバーしてしまう可能性は高そうです。また、今回はメンバー的に逃げ馬がたくさんいる訳ではないので、ペースはほぼスローになるでしょう。前半うまく力を温存できる展開は好材料。スローの競馬は、スタミナ自慢の馬よりも瞬発力や根性比べで勝る馬の方がチャンスがあるはずです。
最近は短距離のロードカナロア産駒が中長距離のG1を勝利したりしていますし、オークスでも2011年にデュランダル産駒のエリンコートが勝利していますので、3歳牝馬同士であれば父親が短距離血統だったとしても十分に勝負できるでしょう。
ということで今年のオークスは、根性娘ピンハイの激走に期待して、有力視したいと思います。