競馬の心理テスト?「逃げ馬」か「追い込み馬」どちらが好きかで人生の願望が分かる?

競馬には様々な作戦があるが、特に決まると痛快なのが逃げ切りと追い込みである。「逃げ」と「追い込み」。対極にあるこの脚質。今回はこの2つの脚質タイプの馬について書きたいと思う。

まず逃げ馬だが、何にせよスタートセンスが良くないといけない。ロケットスタートですんなりハナを奪う事が出来るのは競馬では大きな武器となる。この逃げ馬にもタイプがあり、大きく分けると、闘争心が強くて抑えの効かない気性の馬と、逆に気が弱くて図太さに欠けるような馬の2つのタイプに分けられる。

闘争心が強いタイプは無理に抑えると引っ掛かったり、あるいは走る気をそいだりし、弱いタイプの馬はゴール前で追いつかれると走る気をなくすことが多く、タイプによって走るケースが変わってくる。何れにせよ、どちらも馬の性格によるところが大きく、逃げ馬には個性派が多いのも1つの特徴だ。

一方追い込み馬は、スタートはそんなに速くない馬が多い。道中も脚をためるだけためて、直線で一気に末脚を爆発させるスタイルだ。豪脚一閃纏めて先行集団を交わし去り、気が付けば最後方にいた馬がまるでワープをしたかの如く先頭に立っているというインパクトのある勝ち方をする。派手さある故に人気者になりやすい特徴がある。

ただ、末脚不発のケースもあり、いつも必ず確実に末脚が爆発するわけではなく負ける時は大きく負けることも多い。その点、逃げ馬は逃げをスタートで後手を踏まない限り、勝つかどうかは別として逃げる事だけなら比較的楽に出来る。しかし最近は調教の仕方のレベルが上がってきたこともあってか、逃げ一辺倒という馬も少なく、個性的な逃げ馬というのも今は中々少ないように思える。下級条件には多少いるが、メインレースに出てくるような馬にはあまりいない。

以前はツインターボなど、有馬記念で玉砕覚悟で大逃げをして大いに競馬ファンを沸かせてくれた個性的な逃げ馬がいたがどうも最近は見当たらないのだ。玉砕覚悟で逃げる馬というのも少なくなってきたような気がするが、無謀な競馬をする馬が少なくなったと考えれば競馬自体の質は上がってきたと言えるのかもしれない。今の時代、馬も人も皆スマートだ。玉砕覚悟なんてスタイルは前時代的なのかもしれない。

追い込み馬は、昔はヒシアマゾンやトロットサンダークラスの切れ味抜群の馬が印象的だったが、最近はどうだろうか。最近だとキタサンブラックが人気を集めているが、芸能人である北島三郎氏がオーナーを務めているという意味では個性派なのかもしれないが、馬自身の競馬スタイルはミスの少ない優等生タイプという感じで、非常に地味なタイプの強さを持つ馬である。切れ味鋭い爆発力のある馬で人気の馬となると、なかなかパッと名が出てこない。キレてるヤツが1人くらいいてもいい気がするが、求められるのはやはり優等生なのだろうか。

「逃げ馬好き」か「追い込み馬好きか」で人生の願望が分かる?

私は個人的には逃げ馬が昔から好きで、サニーブライアンはとくに好きな逃げ馬だった。1997年の皐月賞・日本ダービーを制した2冠馬だったが、故障の為、日本ダービーを最後に引退した名馬である。

以前何かの記事で、ある経営コンサルタント兼馬主の人の話では、追い込みが好きというのは、人間の潜在心理から来ているという内容の記事を読んだのを覚えている。その内容は、今世の中で現状の生活や自分の待遇に満足している人は少なく、多くの人は「今は人生不満だけど、いつかは・・・!」という人生追い込み逆転の願望を持って生きており、その願望が追い込み馬を応援すること現れているのだという内容だった。

これには、「なるほど確かに」と一理あるような気がして納得したのを覚えている。私自身も決して今の人生に満足しているわけではないと思っているのだが、逃げ馬が好きということは「人生このまま逃げ切りたい」と思っている潜在心理から来ているのだろうか?それとも人生つらいことから逃げてばかりからだろうか?どちらかと言えば後者が当てはまりそうなので、ゴール前で追いつかれて差される気が弱いタイプの逃げ馬なのだろう。これから先が不安である。

何だか親父の小言のような内容もチラホラで出てきてしまい申し訳なかったが、いやはや逃げ馬と追い込み馬のどちらが好きかという2択で潜在心理が分かるというのは、なかなか面白い心理テストとなりそうだ。競馬仲間同士の会話ネタとして、この質問をしてみると意外と盛り上がるのではないだろうか?皆さんは逃げ馬と追い込み馬、どちらが好きだろうか?