競走馬には向き不向き、いわゆる適性というものがあります。細かい部分で言えば重馬場が得意だったり、小回りのコースが苦手だったり、もっとマクロな部分から入るなら芝・ダートという選択からしてまずは適性有りきなのです。超一流馬になれば多少の苦手は地力の差で覆す場合もありますが、そこまでの馬はほんの一握りであり、やはり基本は得意な場面でベストなパフォーマンスを出すというのが、競走馬とレース選択をする陣営の腕の見せ所であります。
今回は、そういった適性ばっちりの馬、地方交流競走のスパーキングレディーカップへ出走するホワイトフーガをご紹介いたします。父クロフネは種牡馬になってからも息の長い活躍を見せており、NHKマイルCでのアエロリットや少し前だとホエールキャプチャなど、近年は牝馬の当たりが目立ちます。
今回相手取るのは大半が既に負かしてきて相手かつ、昨年の同レース優勝を含め川崎競馬場ではこれまで過去3走無敗と付け入る隙の見当たらないホワイトフーガ。強いて気になる点と言えば、台風は過ぎ去りましたが、やはり梅雨なので天候がどうなるかといったところ。重馬場の川崎競馬場でJBCレディスを勝利していることもあり適性に不安こそありませんが、天候不順は紛れを起こしそうな気配が漂います。
そしてやはり実績馬ということで斤量面では出走馬中単独最重量の58kgを背負って走ります。関東オークス2着のアンジュデジールは3歳馬なので52kgとその差1割以上の6kgは決して小さくはありません。先日のラジオNIKKEI賞で川田騎手がサトノクロニクルのハンデに対して嘆いた場面もありました。
戦績でも勢いでも圧倒的にホワイトフーガ優位に見られるスパーキングレディーカップですが、宝塚記念を引き合いに出すまでもなく何が起きるかわからないのが競馬でもあります。地力差で言えばそれ以上に開きはありそうですが、その分オッズも集中することが予想されます。勝ちの材料も揃っているだけに、逆の目を見てみるのも面白いのではないでしょうか。