「夏は牝馬」「夏は格より調子」とは競馬でよく使われる格言です。格言には迷信めいたものもありますが、理屈は説明できずとも長年の経験から確かにそう感じるというものもあります。今週の七夕賞に出走する、まさに「格より調子」に該当しそうな馬が栗東・西村厩舎所属のヴォージュです。
父はナカヤマフェスタ、母父タニノギムレットということで、やはり芝の中距離が合うのか、ここ3戦の芝2000m戦ですべて連に絡む活躍を見せ、その競馬の内容も安定しています。逃げ馬を見ながらの二番手がこの馬の基本的な位置取りですが、今回も逃げるのはほぼ間違いないでしょうマルターズアポジーが出走することもあり、ヴォージュ陣営にとっても作戦の立てやすい展開となりそうです。
そして頼もしいのが鞍上の内田騎手です。前走の府中Sで見事勝利したコンビでここへ挑みます。福島コースは初参戦となりますが、中2週のローテーションで過去に2勝、中1週でも1勝しているということもあり、今回も期待が高まります。また今回のメンバーでは格上になりそうなゼーヴィントですが、ハンデ戦、かつ福島コースということで紛れまぎれが生じる可能性が高いです。
後方待機で虎視眈々としていたら、そのまま流れ込んで終わってしまった、なんてケースも想定できるだけに、前目で競馬ができる勢いのあるヴォージュの重賞初挑戦で初制覇というのも十分にチャンスのある話。ぜひ覚えておいてほしい1頭です。