日本の近代競馬を語る上で絶対に欠かすことの出来ないのが種牡馬サンデーサイレンスの存在。その活躍はあまりにもすさまじく、サンデーサイレンス産駒が席巻することになりましたが、その仔たちが繁殖にあがり懸念されるのが血の飽和の問題。非サンデーサイレンス系ではキングカメハメハが頭角を現してくれましたが、こちらも人気が殺到しすぎ、国内の飽和問題の解決とはいきませんでした。その対応策として輸入されてきた大物種牡馬がハービンジャーやワークフォース、そして今年の新種牡馬のノヴェリストも日本では馴染みのない血統だけに、あらゆる配合を期待されています。
そんな輸入大物種牡馬産駒で注目したい馬が今週土曜日函館10R・横津岳特別に登録しているトロピカルストーム、ハービンジャー産駒です。別定戦の500万条件ということで、注目度の低さは否めません。トロピカルストームの戦績はここまで11戦1勝[1-3-0-7]と決して強豪とは言える成績ではありませんが、過去の連対した4レースが全て函館2600mで、函館での実績は連対率100%という函館巧者です。そして今回の舞台もまた函館2600mとなっています。
そして鞍上の坂井瑠星騎手にも注目です。幾度かの乗り替わりを経て未勝利脱出となったのを切っ掛けに主戦となった相性を買われているのでしょう。とは言え、それ以降は2着が精一杯ということで今回こそは500万条件突破と行きたいところです。所属厩舎ではない栗東・西村厩舎の管理馬で勝利すれば対外的にも絶好のアピール機会となるでしょう。
レベルが高いと言われる北海道シリーズの特別戦で、人気馬で結果を出すことができれば本人にとっても自信になることでしょう。前走では王道の競馬を見せながらも勝ち馬リッジマンが強すぎたこともあり2着もやむなしの結果となりました。
これがオープンクラスであれば乗り替わりとなってしまう可能性もありますが、若手騎手にとってはどんな条件であれ人気以上の着順、できれば勝利で結果を残すことが何よりのアピールとなり、今後の手綱にもつながります。オーナーの吉田和美さんの所有馬といえばモーリス。気づけば大舞台に、という流れもあり得る函館巧者と共に駆け上がれるか応援したいです。