キタサンブラックの活躍により、父ブラックタイドの種付け料が100万円から300万円と一挙3倍になりましたが、いきなり跳ね上がったせいか種付け頭数が半分程度まで減ってしまい、今年は200万円に戻すことになりました。労力半減で収入1.5倍なら御の字とも言えますが、産駒数が減れば後に続く活躍馬の出る可能性も落ちてしまうため、まだまだ種牡馬として長く続けていくためには種付け頭数を優先するというのも致し方ないことかもしれません。何にしても、産駒の活躍がいかに父の価値を左右するかというわかりやすい例だったでしょう。
そんな大出世のポテンシャルを秘めた種牡馬がディープスカイではないかと見ています。今年はモルトベーネがアンタレスSを勝利し、JRA重賞初勝利を達成。また皐月賞4着からダービーまで駒を進めたクリンチャーの活躍により芝のクラシックディスタンスでも通用することを示しました。これまでもキョウエイギアやサウンドスカイなど地方の交流G1での勝利が際立っていましたが、中央でも結果を出す産駒が立て続けに現れたことで、来年以降の種付け頭数や繁殖牝馬の質にも影響が出てくるのではないでしょうか。2017年度の料金は受胎条件で30万円、産駒誕生で50万円と、産駒の活躍と比べ生産者の視点から見るとリーズナブルと言えるのではないでしょうか。
そうなると、我々競馬ファンとして覚えておきたいのは、来年種付けされる産駒の中に大物が紛れ込んでくる可能性が高くなるであろうという点です。まだまだダートよりの産駒が多いですが、繁殖牝馬により芝の大物が出てくる可能性も十分有ります。ファンも多いであろうアグネスタキオン直系ということもあり、ぜひとも注目したい種牡馬です。