今年の北九州記念はなかなか面白いメンバーが集まった。「夏は牝馬」の格言でいけば、現在3連勝中のダイアナヘイローがピッタリの馬だ。500万円から準オープンまで破竹の3連勝で一気に突破し、自身二度目となる重賞挑戦となる。
去年3月に出走したG2のフィリーズレビューでは出遅れが響いて後方からとなり、最後は外から伸びたが4着に惜敗してしまった。あれからは安定して先行できるようになったし、逃げる競馬も覚えてきた。脆さがなくなり、一戦ごとに成長を感じさせる馬だ。
今回メンバーは今まで戦ってきた相手より大幅に強くなる。久々の重賞だが、しっかり戦える事を証明する事ができるかどうかが試される試金石の一戦と言えるだろう。
相手には前走函館スプリントS2着のキングハート、2走前のCBC賞で3着のアクティブミノル、去年のオーシャンSの勝ち馬エイシンブルズアイなどスプリントの猛者達が揃っているが、ハンデ戦の上に牝馬ということで、斤量面で有利になりそうなダイアナヘイローは魅力的な一頭である。
主戦の武豊、ダイアナヘイローで鬱憤晴らせるか?
鞍上は北九州記念5勝の実績がある武豊騎手。ダイアナヘイローの主戦騎手であり、武豊騎手にとっては重賞制覇を狙えるこの夏の貴重なお手馬である。同日札幌で開催される札幌記念ではもう一頭のお手馬であるエアスピネルがルメール騎手へと乗り替わりとなり、今回は小倉で乗ることになった。
主戦騎手で挑めることができたダイアナヘイロー陣営にとっては嬉しいニュースだが、思い入れの強かったエアスピネルから実質的には降ろされたかたちとなった武豊騎手の心中を察すると、素直には喜べないところもあるだろう。
しかし、幸か不幸か武豊騎手で挑めることとなったダイアナヘイローは今回重賞初制覇を果たす大きなチャンスが巡ってきた。コンビ成績は「4-2-1-2」と相性は良い。前走の佐世保Sでは鮮やかな差し切り勝ちを果たし、前日の小倉メインも優勝していた武豊騎手は連日のメインジャックとなった。今夏は小倉の舞台で好騎乗が目立っており、人馬ともに期待ができる舞台となっている。
札幌のエアスピネルがどういう競馬をするのかも気になるが、ここは悔しさを晴らすためにもダイアナヘイローで重賞勝利を果たしてもらいたいところである。