オルフェーブル産駒のクリノクーニング、ロックディスタウンが人気を背負うことになりそうな今年の札幌2歳S。新種牡馬産駒が重賞を勝つというのは生産者への強いアピールにもなります。今後はフェノーメノやゴールドシップの産駒などが控え、ステイゴールド後継種牡馬争いも激化してくることを考えると勝利が望ましいのは当然のことながら、陣営に取ってはクラシックに向けて未知数の部分を試しながら走らせたい部分もあるでしょう。様々な思惑の交錯する白熱したレースとなりそうです。
ですが、馬券の購入に関しては少し落ち着いて考えたいところ。応援する馬と購入する馬券は連動させる必要はありません。というわけで、今回はカレンシリエージョを推奨したいと思います。洋芝巧者のハービンジャー産駒で、ヴィクトリアマイルを制したアドマイヤリードの妹でもあります。初戦こそクリノクーニングとの一騎打ちに敗れたものの、未勝利戦は8馬身差の大楽勝。鞍上にはオルフェーブルの主戦騎手だった池添騎手がまたがります。自身にとって間違いなくもっとも思い入れの深い相棒の産駒重賞初制覇を妨げるポジションにいるのは複雑な心境かと思いますが、出来れば自分の手で、と思うのであれば反対に気合充分とも言えるかもしれません。
とは言え、ロックディスタウンにも言えることですが、過去10年で牝馬が優勝したのは2013年のレッドリヴェールのみと、牝馬にとって非常に厳しい壁のそびえ立つレースです。ただ、2013年は2着にも牝馬のマイネグレヴィルが入り、勝ち馬のレッドリヴェールは2歳女王にもなった馬。レースレベルに対し充分力を持っていれば牝馬でも不足はないでしょう。
では今年のメンバーをどう見るかですが、クローバー賞勝ち馬の地方馬ダブルシャープも人気の一角を担うことになるでしょう。2013年同様に牝馬にチャンスのあるメンバー構成であるといえます。今年は久しぶりの牝馬の勝利が見られるかもしれませんね。