サマースプリントシリーズの最終戦でG1スプリンターズステークスの前哨戦でもある「セントウルS」。夏の上がり馬と休養を終えてここから始動する馬が集うことが多く、毎年比較が難しい一戦である。
サマースプリントシリーズ第2弾のCBC賞(10着)を使ったメラグラーナは最終戦のセントウルSで巻き返しを狙う牝馬だ。去年は夏と秋の条件戦を2連勝するも冬の京阪杯で14着と惨敗、年末のラピスラズリSと、今年の始動戦である春のオーシャンSを優勝し2連勝を果たしたと思ったら、近2走は連続で10着に敗れ、惨敗が続いている。
勝ったレースを見れば能力が高いことは一目瞭然だが、牝馬らしく気分屋なところも目立っている。エキサイトしすぎて鞍上と喧嘩して惨敗するような競馬もあれば、指示通りにお利口に動いて鋭く反応する競馬もあり、何とも掴みどころが難しい馬という印象がある。
しかし、ムラはあるが能力さえ出し切ればメンバーの中ではトップクラスの牝馬と言っていいだろう。能力を出し切るにはある程度の条件が揃う必要があるが、良馬場で開催となることがまず絶対的な条件となる。
前走のCBC賞は良発表だったが、当日は雨が降っておりその影響が思ったりよりあった。メラグラーナは高速馬場でこその馬だと思うので、馬場は軽い方がベスト。雨が降る中で前が激しくやりあってペースが速くなり、追走で脚を使ってしまい最後は馬にやる気が感じられなかった。2走前の高松宮記念も稍開催の中でハイペースとなり、馬場の悪い外を回していったのも好走の条件とはならない。
オーシャンSではハイペースでもきっちりと末脚を引き出せている点からも、ペースの速さは問題ではない。やはり乾いた馬場で走ることが第一条件と言える。今回はセントウルSへ出走ということだが、阪神の開幕馬場というだけでも条件は良いので、巻き返しが期待できる条件ではある。
CBC賞のように急に雨が降ってくるケースもあるので、もちろんレース当日まで馬場の状態はしっかり見ておきたい。個人的には、タフなレースとなりそうな本番のスプリンターズSよりも、適条件となりそうなトライアルのセントウルSでこそ狙ってみたい一頭だ。