現在3歳牝馬、500万条件を使用しておらず、重賞2着での加算により収得賞金は丁度1000万円。春は善戦するものの勝ち星には恵まれず、人気を若干下回る競馬が続きました。オークスへの切符はトライアルのフローラSで3着に入り何とか権利を手にし、血統背景を含め本番でも上位人気に支持され、ファンの期待も高かった馬。そのオークスでは果敢に逃げますが、5着馬にクビ差届かずの6着でした。
さて、仮に皆さんがこんな状況にある馬のオーナーだとしたら、秋初戦はどこを選択するでしょうか?勝ちにこそ繋がっていないものの、重賞戦線を安定して走ってきた馬なので秋華賞を諦めたくはないでしょう。大抵の方は本賞金が厳しいことからトライアルの紫苑SかローズSと答えるのではないでしょうか?ところが、競走馬のプロたちの選択は古馬相手の1000万条件戦でした。
秋華賞トライアルへは参戦せず、一戦必勝の白井特別へ駒を進めた“フローレスマジック”
18日(月)中山の9R白井特別で、美浦・木村厩舎の管理馬フローレスマジックが復帰初戦を迎えます。最後の秋華賞トライアルとなるローズSには登録すらせず、ここが一戦必勝の舞台となります。勝利以外ならば秋華賞出走は絶望的となるでしょう。トライアルでも重賞でもないため2着以下では優先出走権も本賞金加算も叶いません。
鞍上は3歳からパートナーとなっている戸崎騎手が継続騎乗になります。距離こそ異なりますが中山コースということで紫苑Sと同じ舞台。ならばトライアルを使ったほうが良かったのでは、と思わないでもないですが、陣営の思惑や馬の仕上がり具合などもあったのでしょう。
それでもここは期待の素質馬なので古馬相手とは言えども1番人気を背負う可能性も高いです。路線として確立されているローテーションでもありませんので、当然これまでに白井特別から優勝した秋華賞馬は過去1頭もいません。勝利が必要なのはフローレスマジックだけではありません。権利を得れば本番でも再度注目を集めることも間違いないでしょう。偉業達成なるか、まずはこのレースに注目です。