ダービーまでそういう目でサトノダイヤモンドを見ていた。戦績だけでなく、馬格がありながらスラッとしなやかな馬体、首を下げた鶴首の走法、一瞬の脚というよりはいわゆるナタの切れ味、広いコース向きの脚質、長距離も問題なくこなせる気性、全てがハイレベルでバランスの取れた点も似ている印象を持っていた。
しかしサトノダイヤモンドはダービー馬にはなれず2着に終わる。一方3歳秋シーズンはGⅠ未勝利に終わったスペシャルウィークとは対照的に菊花賞、有馬記念とGⅠを連勝するが、明け4歳の天皇賞春では3着となり、ダービー以降の戦績はむしろ真逆と言え、もはや似ているという印象を持っていたことさえ忘れていた。
先般のフォワ賞。サトノダイヤモンドが4歳秋初戦となるこのレースで自身はじめての馬券圏外となる大敗を喫し、改めて2頭が似ているという印象を持っていたことを思い出したのである。
気づけば上記した内容の違いこそあれど、4歳秋初戦終了時点でGⅠはともに2勝、出走回数の違いはあるがGⅠでの2,3着数も似ている。
スペシャルウィークは4歳秋初戦、京都大賞典で生涯唯一の馬券圏外となる7着と大敗するも、続く天皇賞秋では増えていた馬体を大幅に絞り、4歳になり先行していた脚質を3歳時の差し・追い込みのスタイルに戻し天皇賞秋・ジャパンカップとGⅠを連勝するのである。
サトノダイヤモンドもフォワ賞では本調子になかったとの情報もある。本番へ向けて本来のコンディションやスタイルを取り戻すことが出来れば、このあとスペシャルウィークに酷似したGⅠを連勝する4歳秋シーズンを見せてくれるのではないか。