【芙蓉S考察】トゥザフロンティア、父の距離適性を超えるか?

「距離が長い。」競馬ではよく使われる言葉ですし、敗因で使われる理由としては多いかもしれません。ウサイン・ボルトにマラソンをしてもらうほど極端ではないかもしれませんが、距離適性というのは馬にとっても非常に重要です。とは言え、まだまだ成長途上の2歳馬ならいろんな可能性を試したいもの。そういう意味で、父の距離適性を越えられるかの試金石となりそうな注目のレースが今週日曜日中山9レースで行われる「芙蓉ステークス」です。

ここ3年はすべて1番人気が連対という堅いレースですが、今年の注目はやはりトゥザフロンティアでしょう。母はエリザベス女王杯はじめ、ドバイでも見せ場を作り中距離で活躍したトゥザヴィクトリー。父は短距離王ロードカナロアと、それぞれの得意距離で存分に活躍した競走馬同士の配合いうことで、距離適性の当たりがつけづらい配合になりました。

デビュー戦は芝1600mを選択し、短期免許で来日していたホワイト騎手の手綱で見事勝利。ただ、これは母譲りなのでしょうか、レースを見る限りは乗り難しそうな馬だというのが第一印象でした。今回は2ハロン延長となり芝2000m。父もマイルまでは対応力を見せましたが2000mとなると未知の領域ですが、母を見れば当然挑みたくなる妥当なローテーションと納得できます。

ホワイト騎手は既に帰国しているため、これだけの血統の主戦騎手がまだ宙ぶらりんな状況ですが、中山開催ということもあり今回は戸崎騎手が予定されています。札幌2歳S2着からファストアプローチの参戦も予定されており、オープンとはいえハイレベルな競馬が期待できそうです。

戸崎騎手とキャロットファームのコンビといえば、やはりルージュバックが浮かびます。もう少しというところまでは来ているかもしれませんが、未だG1制覇には到っていません。期待馬の主戦騎手となれるか、またロードカナロア産駒の中距離への適性はどのようなものか、重賞ではありませんが必見のレースになります。