中山競馬場の今週のメインレースは、歴史ある重賞の産経賞オールカマーです。今年は17頭も出走馬が居て、例年以上に面白くなりそうです。オールカマーと言えば、そのレース名の由来である、すべての馬に広く門戸を広げたレースです。過去は地方馬が芝に挑戦してくることが楽しみなレースでしたが、ここ最近は地方馬は全く参戦せず、古い競馬ファンとしては非常に寂しい限りです。
地方重賞が充実してきたという理由もあると思いますが、最近の地方競馬所属の馬はディープインパクトからハーツクライ、エイシンフラッシュ、ダノンシャンティ、シンボリクリスエス、アサクサキングスなど多数の芝馬産駒もいるだけに、地方で力をつけて中央の芝で走ってくる馬がもっといてもおかしくないはずです。JRAにはそういった馬達が出走しやすい環境をもっと作って欲しいと切に思っています。まあ、今回は一応出走頭数が17頭という点は門戸を開いたおかげと言うことにして、良しとしましょう。
さて、前置きが長くなりましたが、17頭の中で今年注目しているのがディサイファです。ディサイファは8歳馬ですが、これまで今回と同じ条件である中山2200mのAJCCを含めて重賞3勝の実績馬です。
ところが、昨年1月にそのAJCCを勝って以来はスランプに入ったのか、以後9戦して最高着順が5着と馬券圏内に一度も絡んでいません。さらに今年に入ってからの3戦は全て2桁着順と引退間近のような結果に終わっています。
そんなスランプ馬ながらも今回ディサイファに注目する理由は、中山競馬場の相性と前走のレースっぷりにあります。中山競馬場の相性については、AJCCを勝っていることからも明らかなのですが、今回注目した一番の理由は前走のレースにあります。
前走の札幌記念は13頭立ての12着とそれこそ大敗でした。しかし、勝った馬とは1.1秒差でしかないですし、レースを見てみると、道中で最低2回は進路をふさがれております。ラストの直線でもバテてはおらず、じわじわと伸びてきております。そのレースっぷりは、明らかにそれまでの大敗となったレースとは違っていました。着順だけ見ればこれまでとは変わりませんが、内容を見れば復活気配が見られたレースだったことが分かります。
今回は実績馬は、ルージュバック、デニムアンドルビーの牝馬2頭や、タンタアレグリア、アルバートなどがおりますが、いずれの馬も近走そこまででもなく、休み明けの不安もあります。復活気配も実績もあるディサイファが復活の激走を見せてくれる可能性は少なくないでしょう。
他の馬を見てみても、前走勝った馬のうち2頭は1600万ですし、連勝している馬は1頭もいません。上り馬も不在、その他の実績馬も休み明け、どんぐりの背比べ的なメンバーの17頭なのです。混戦ムードが漂う今回なら、復活気配のある実績馬ディサイファが上位に来る可能性は十分にあると見て良いでしょう。ということでオールカマーは、ディサイファの復活激走を狙いたいと思っています。