3歳牡馬の秋オープン初戦というと菊花賞へ向けたセントライト記念や神戸新聞杯あたりから始動するのがスタンダードですが、近年では長距離適性の需要が低下していることもあり菊花賞へのこだわりが以前ほどないような雰囲気も漂います。多少距離が長かろうがやはりクラシックには出走したいという思いよりも馬自身が一番力が発揮できる舞台で勝負させようという風潮もあるのでしょう。
ダービー馬のレイデオロはセオリー通り神戸新聞杯から始動こそしていますが、戦前からジャパンカップを目指すことを公言しておりました。ただ、好意的に考えるなら3000mという3歳馬にとって距離適性未知数になる菊花賞に拘る必要がないほどに、様々なローテーションが確立されてきたともいえます。
そういった意味で、G1馬が多数出走する古馬G2の毎日王冠を選択したダイワキャグニーの動向に注目したいと思います。セントライト記念を制したミッキースワロー、秋華賞最右翼のアエロリットともども秋が楽しみな美浦・菊沢厩舎所属です。
今年の毎日王冠は登録が12頭と少頭数なこともあり除外もなく出走は出来ますが、本賞金1900万というのは今後重賞戦線で戦っていく上で少々心許ないものがあります。プリンシパルSを優勝しており世代上位の力は見せており、重賞未勝利ではありますが弥生賞では2番人気に推されたように、そのポテンシャルは評価されている馬です。
左回りの東京に照準を絞ったという厩舎サイドのコメントもあるように、4戦中3勝している府中巧者です。また、唯一の敗戦がダービーでのものでしたが、相手強化もさることながら一気に2ハロンの延長が影響した可能性も大きいでしょう。東京であれば選択肢として再来週の富士Sもあったかもしれませんが、敢えて今回の強豪相手にぶつけてくる意気込みを買いたい所です。良い競馬が出来れば秋の天皇賞も見据えている陣営ですが、2着の賞金加算が成功しても3250万円では出走確実とは言い難いライン、どちらかと言えば厳しいでしょう。ならば、優勝して優先出走権を得ることを想定しての発言とも捉えられます。
別定なので仕方ありませんが、同じ3歳で牝馬とは言え実績で完全に上位にあるソウルスターリングよりも1kg重い斤量と言うのは気になる所ですが、府中2000m以下無敗のキャリアが継続するか、ぜひご注目下さい。