ノースヒルズの勝負服と言えば古くはヘヴンリーロマンスの松永幹夫騎手、そしてヘヴンリーロマンスの仔のアウォーディーをはじめ、キズナやファレノプシスと多くの名馬に騎乗してきた武豊騎手といったイメージがあります。
そんなチームノースヒルズから、今回は皆さんご存知の格上だろうが外国馬だろうがお構いなしに吠えて威嚇する暴れん坊将軍ラニが東京競馬場のブラジルカップに参戦予定です。武豊騎手に世界のムーア騎手とそうそうたるメンバーがこれまでに騎乗しており、米国三冠挑戦時にはゴジラの異名をいただいたほど現地でもインパクトを残した同馬でしたが、近走ではやや走りの輝きを失ってきている印象があります。
その荒すぎる気性から乗り難しいイメージも持たれ、距離適性に関してもどこが最適かよくわからないラニ。試行錯誤の末、前走は目黒記念で芝の長距離にチャレンジするものの、それほど高くない人気を大きく下回る18頭中17着という大敗におわりました。今回は夏場をしっかり休養に当て、勝ち星のある東京ダートということでまた人気も付くことでしょう。
注目の鞍上ですが、三浦騎手を予定しています。ノースヒルズの有力馬は比較的栗東に預けられることが多いため、美浦の騎手で継続騎乗しつづけるというのはフリーでも中々難しい面があります。飛ぶ鳥を落とす勢いの新人時代でしたが、JRAでのG1制覇まで今ひとつ届かないまま大怪我による長期離脱となってしまった三浦騎手にとって、有力馬主とのパイプは太ければ太いほどよい。フィドゥーシアのスプリンターズSでは残念ながら敗退してしまいましたが、負けた後にチャンスをもらえるということは目をかけられている可能性も大。武豊騎手の後継者、と目されていただけに、このままでは終われません。
UAEダービーを制し、完走さえ大変な米国三冠を皆勤出走しながら着順を伸ばし、最後には3着まで入ってしまったように元々地力はあるラニなので、今回結果を出すことができ、今後のコンビ継続の芽も出てくれば、ビッグタイトルまで繋がる可能性も見えてきます。菊花賞の裏開催のメインレースとは言え、頭数も揃ったハンデ戦、面白いレースが期待できそうです。