アドマイヤグルーヴの仔・ドゥラメンテ。祖母エアグルーヴから続く系譜を考えると、武豊騎手とのコンビを一度は見たかったと今でも思う競走馬でした。多くの名馬に騎乗し幾つもの記録を打ち立て、記憶に残る名馬面を残してきた騎手だからこその贅沢な悩みかもしれませんが、今週土曜日の東京9Rアイビーステークスも複雑な心境で臨むレースとなりそうです。
騎乗するのはデビューから3戦続けてコンビを組んできたシャルルマーニュ。キタサンブラックと同じ清水厩舎に加え、母の父がサクラバクシンオーというところも同じ。サクラバクシンオーに1800mは一般的には距離が長く見える所ですが、キタサンブラックが長距離への適性を充分に示してくれました。芝中距離も血統面から否定材料にはならないでしょう。
そして、冒頭お話した複雑な心境というのが、このレースにはウオッカ期待の産駒タニノフランケルが出走してくるためです。アドマイヤグルーヴやエアグルーヴほどの騎乗率ではありませんが、ウオッカとのコンビで3度のG1勝利も得ており、四位騎手から主戦の座を引き継いだジョッキーといってよいでしょう。そんなウオッカの仔ですから、単なるレースのライバルとして以上に気になる1頭ではないでしょうか。
頭数こそ7頭と少ないですがバウンスシャッセの弟フラットレーの参戦もあり、非常にハイレベルな2歳戦が期待できそうな今回。ここを勝てば朝日杯FS、ホープフルSともに出走しやすい本賞金を確保できます。2レースのG1格上げに伴い遠のいたかに見えたG1完全制覇も初年度に早速一歩詰め寄りました。この勢いでまたタイトルを重ねられるか、そうは問屋がおろさないか、実績と血統からシャルルマーニュ自身は3,4番人気に落ち着きそうですが、武騎手の意地と馬券妙味両方に期待して応援したいと思います。