G1こそ勝てなかったもの馬券でお世話になった方も多いのではないかと思える1頭が、種牡馬入りを果たしています。
激戦区となっている日本の種牡馬業界では、G1勝ちの勲章がない馬の種牡馬入りは期待薄に思えてしまいますが、重賞実績すらないシルバーステートが血統面での評価の後押しや条件線で見せた圧倒的な強さから人気を集めたように、生産者が求めるニーズと価格帯がマッチすれば、様々な種牡馬に活躍の場はあるのではないでしょうか。
2019年の京都金杯を制したパクスアメリカーナが先月23日に競走馬登録を抹消し、休養先の牧場から種牡馬として繋養される新ひだか町のレックススタッドに移動しました。
パクスアメリカーナは父クロフネ、母グローバルピースという血統背景で、新ひだか町の千代田牧場の生産馬です。
全姉に牝馬クラシック路線含め息の長い活躍を見せ、ヴィクトリアマイルを制したホエールキャプチャがおり、パクスアメリカーナ自身は京都金杯のほかリゲルS勝ち、アーリントンカップ2着など、姉同様に芝のマイル路線中心に活躍し、通算成績は10戦4勝となっています。
スピードと瞬発力を兼ね備えた馬で、故障がなければもう少し活躍が見込めたであろう一頭で、ホエールキャプチャをはじめ、ソダシなど牝馬に大物が多いクロフネ産駒としては貴重な後継種牡馬となるだけに、スピードを求める生産者にとっては種付け料も手ごろなところに落ち着けば魅力的な1頭となるのではないでしょうか。