秋のG1、ジャパンカップ、有馬記念へ続く中長距離路線の前哨戦とも言えるアルゼンチン共和国杯。これまでもここを勝ってジャパンカップを制したスクリーンヒーローや、ここを勝って有馬記念を勝ったゴールドアクターなど、やはりG1以外からでは最重要ステップ戦とも言えます。
今年も3歳馬でダービー2着のスワーヴリチャードをはじめ、同じく3歳馬で無敗のセダブリランテス、昨年の2着馬でステイヤーズステークス2勝など重賞3勝のアルバート、一昨年の春の天皇賞2着の実績のあるカレンミロティック、牝馬のG1戦線の常連馬デニムアンドルビーなどなかなかのメンバーが揃いました。
そんなメンバーの中、注目している馬はキングカメハメハ産駒のシホウです。シホウは前々走1600万のグリーンステークスを勝ってオープン入りし、前々走のオープン戦、オクトーバーステークスでは、9着に敗れています。しかし、その前走は距離が2000mだったのですが、道中ついていけず最後方からの競馬で直線でバテた3頭を交わしただけのレースでした。
レースの内容的にはオープンの壁を感じるものだったのですが、近走は2000mよりも長い距離を多く使っていたせいもあって久しぶりの2000mでついていけなかったのかもしれません。そうであれば、今回のアルゼンチン共和国杯は2500mと距離がありますので、道中の追走も楽になってくるでしょう。
さらに、ハンデの53kgというのがなんとも魅力的です。シホウはこれまで24戦出走してきたのですが、その中で一番軽い斤量だったのが55kgということで、53kgというのは、これまでの一番軽い斤量というだけでなく2kgも軽い斤量です。今回出走する16頭全てを見渡しても、今回のレースでこれまで走ってきたレースの中で一番軽くて、しかも2kg以上も軽いと言う馬はシホウしかいないのです。距離がより向いている点と、ハンデが魅力的である点は、ハンデ戦のアルゼンチン共和国杯だからこそ、好走の要因となってくるに違いないでしょう。
シホウに今回初めて乗る吉田隼人騎手は、もうベテランの域に達していますが、今年は絶好調で既に昨年の勝利数を上回っていますし、勝率、連対率、3着内率ともに、昨年を上回っております。
馬も走る要素がたっぷりなところに、絶好調の騎手が乗ってくるのですから、アルゼンチン共和国杯のシホウは隠れた大注目馬なのです。シホウにとってここはオープン2戦目ですが、今後G1戦線に向かっていくためにも、試金石と言ってもいいレースでしょう。吉田隼人騎手の腕も借りて、一気にG1戦線の有力馬となってくれることに期待して勝負をしたいと思います。