牝馬No.1を決めるエリザベス女王杯が今週行われます。今年は、面白さで言えばもしかすると今年の秋のGⅠ戦線でもトップクラスなのでは?と思わせるメンバーが揃いました。
出走頭数がフルゲート揃い18頭というのがまずは面白さの1つですが、それ以外にもここ数年の牝馬のトップクラスが揃い、しかもそのいずれの馬も調子が戻ってきていることがあります。
3歳時には怪物とまで言われたルージュバックは、前走で牡馬相手の産経オールカマーを快勝してここに臨んできましたし、春のヴィクトリアマイルでは7着と人気を大きく裏切ったミッキークイーンも今回と同距離の宝塚記念で3着と実力を見せています。また、中距離は少し距離が長いと思われマイル路線で活躍していたスマートレイアーは、昨年末のGⅠ香港ヴァースで2400mの距離で5着と好走して以来、中距離路線の京都記念、鳴尾記念で2着し、前走は牡馬相手の京都大賞典を差し切って絶好調ですし、昨年の勝馬クイーンズリングも昨年の勝利の後は大敗続きも前走府中牝馬ステークスで4着と復活気配となっています。
その他にも、前走秋華賞を勝ったディアドラに、今年春のGⅠドバイターフを制したヴィブロスも前走府中牝馬ステークスで2着と休み明けを順調に好走しています。これらトップクラスの馬達が揃って好調で出走してくることこそが、今回のエリザベス女王杯が面白いと思わせる最大の要因です。
このようにトップクラスが揃いも揃って好調では、他の馬に付け入る隙がなさそうにも思えるのですが、1頭注目の馬がいます。その馬は、マキシマムドパリです。
今年に入り重賞戦線でメキメキ結果を出してきたマキシマムドパリ
マキシマムドパリは、3歳時には秋華賞で今回有力馬となるミッキークイーン、クイーンズリングの3着と好走しています。その後、4歳時は1000万, 1600万で勝ち負けをしながら牝馬重賞に出走してくるという感じだったのですが、重賞においてはあくまで好走止まりで賞金加算もままなりませんでした。ところが、5歳馬となった今年は準オープンの身ながら愛知杯を勝利すると、夏先のマーメイドステークスでも見事優勝し、続けざまにGⅢ重賞を2回勝っています。
前走は牡馬相手の京都大賞典に出走し、着差0.9秒差の9着でエリザベス女王杯に臨んできました。戦績だけを見ると、トップクラスの馬達と比較して物足りない感じではあるのですが、注目すべきは、8年前の2009年にこのエリザベス女王杯を勝ったクィーンスプマンテとなぜか類似点が多いということです。
穴馬の大逃げ成し遂げ超大物食いに成功したクィーンスプマンテとの共通点とは?
クィーンスプマンテは2009年のエリザベス女王杯を11番人気の超人気薄で勝利したのですが、その前のレースが京都大賞典で着順が9着と、マキシマムドパリと同じレースで同じ着順でした。そして、馬主もともにグリーンファームというところまで同じなのです。さらに戦績的にも2着が少なく1着, 3着が多い馬という傾向も合致しています。
そして今回のマキシマムドパリの鞍上・藤岡佑介騎手は、昨年1度乗って勝利して以来しばらく離れていたものの、3走前から再度跨るようになってからこのコンビで2勝をあげています。そして、クィーンスプマンテのエリザベス女王杯での勝利は田中博康騎手によるものでしたが、6つの勝利のうち2つが藤岡佑介騎手によるものでした。
1つ2つならまだしも、これだけ多くの共通点があるというのは珍しいことです。マキシマムドパリが類似点豊富なクィーンスプマンテの再来を魅せてくれる可能性も充分ありそうな予感がします。オカルティックな予想と思われるかもしれませんが、今年重賞2勝している地力は確かなものがあります。相手関係で人気の影にはなってしまうものの、勝利することがあってもそれほどびっくりすることはないのではないでしょう。
ただし、マキシマムドパリは大逃げを打つタイプの馬ではないため、レース展開は決定的にことなるでしょうが、一度あることは二度ある。時代は繰り返す。そんな言葉をレース後に思い出すかもしれません。今年のエリザベス女王杯は、そんなところに期待して観戦したいと思います。