12月最初の重賞は2日(土)に中山競馬場の芝3600mで行われる長距離重賞の「ステイヤーズS」だ。3000m以上の芝の重賞は菊花賞・天皇賞春・阪神大章典・ステイヤーズS・ダイヤモンドSの5レースしかない。菊花賞はクラシック最終戦なので3歳時に1度しか挑戦出来ないレースだし、古馬は天皇賞春を筆頭に4レースしかない。長距離の重賞が少ない長距離界で、現在抜群の安定感を誇っているのがアルバートだ。3000m以上の重賞は天皇賞春以外は3戦3勝とパーフェクトの実績。さらにステイヤーズは一昨年、昨年と優勝し連覇を果たしており、今回3連覇がかかっている。長距離戦での強さはひと際目立っている存在だ。
アルゼンチン共和国杯からステイヤーズSに向かうローテーションは昨年と同じ。このローテーションは徹底しており、先週行われたジャパンCにはめもくれず、ステイヤーズSに照準を定めてきた。今年は最終登録頭数が10頭と重賞にしては少々寂しい頭数となった。2歳重賞は頭数が揃わない事が多いが、古馬重賞では長距離戦が少頭数になることが多い。やはりスタミナがある馬は限られて来るし、過酷な長距離戦での消耗度は高い故、高い適性がない限り挑戦しずらい条件ではある。
そういった面では、スタミナが豊富で高い長距離適性を持つアルバートはなんの問題もないだろう。スピードも重賞で十分通用する能力を持っている。主戦場は2500mからだが、長距離重賞の常連で、ステイヤーズSを2015・2016年と連覇し、今年はダイヤモンドSも制した。長距離界では一目置かれる存在の馬である事は間違いない。天皇賞春には縁がないのが不思議だが、スタミナとスピードを兼ね備えたステイヤーは現在の日本競馬界ではこの馬がトップホースとも言えるのではないだろうか。
今回もメンバー構成を見る限り、アルバートの対抗馬候補がこれと言った馬がいないのが現状だ。ここは断然人気で迎えることになりそうなステイヤーズS、3連覇にも大きな期待がかかる。この頭数なので人気薄の逃げ馬にだけは注意しなければいけないが、過去に負かしたことがあるメンバーも少なくなく、この頭数なら圧勝も難しくないだろう。勝ってステイヤーズS3連覇を果たし、国内の長距離界のトップを極めたい。