阪神JFに出走するブエナビスタ2頭目の産駒ソシアルクラブの新馬戦はとても届かないだろうという位置から母譲りの見事な末脚で差し切った素晴らしいレースだった。1頭目の産駒コロナシオンも同様に母譲りの素晴らしい末脚で新馬勝ちし、産駒には確実に母の良いところが受け継がれている印象受ける。
新馬戦だけ見れば無事ならクラシック候補と思わせるような勝ち方だったが、ブエナビスタ産駒の勝利は現状2頭の産駒による新馬戦の2勝のみとなっており、コロナシオンの末脚は新馬戦以降鳴りを潜めている。
思えば母ブエナビスタとは真逆の戦績である。ブエナビスタは新馬戦こそ後の皐月賞馬とダービー2着馬が相手ということもあってか3着と敗れたが、その後オークスまで無敗街道を突き進む。
新馬戦も負けはしたがメンバー中上がり最速、目一杯の競馬をして負けた印象はなく、続く未勝利戦・阪神JF・チューリップ賞などは余裕たっぷりの勝ち方という印象だった。新馬戦から先を見越した、クラシックから逆算した、特に牝馬での実績が素晴らしかった名伯楽だからこそ出来た調整だったのかもしれない。
一方コロナシオンは良血馬ゆえに新馬戦を落とせないプレッシャーもあったのだろうか、新馬戦で目一杯の競馬をした印象もあり、母と調教師が異なるという難しさを感じる。ソシアルクラブは2頭目ということで「どの程度特徴を掴んでいるか」「修正ができているか」「先を見越した余裕を持った調整ができているか」が焦点と言えるかもしれない。