東京競馬の土曜メインは2歳重賞「東京スポーツ杯2歳S」が開催です。近年のクラシック路線では、弥生賞やスプリングステークスなどのトライアル以上に素質馬が集まる路線の1つとなっているレースで、昨年はイクイノックス(1着)、一昨年はタイトルホルダー(2着)、2019年にはコントレイル(1着)、2017年にはワグネリアン(1着)と、さらに2016年のスワーヴリチャード(2着)と2013年のイスラボニータ(1着)と過去10年の連対馬を見ても、その後のクラシックで勝つ馬、または2着となる馬がこんなにも多く出ています。
今年もなかなかの評判馬が揃い、特に新馬戦で派手な勝ち方を魅せた馬が何頭も出走してきました。中でも中京2000mで直線馬なりで33.9秒の上がりを繰り出し2着馬に8馬身差をつけたハーツクライ産のハーツコンチェルトの競馬は圧巻の一言。
他にも新潟1800mをムチを入れずに5馬身差で楽勝したリアルスティール産駒のフェイトや、東京1800mを最後方から上がり33.3秒で追い込み一閃を決めたジャスタウェイ産駒のガストリック、初戦こそ先行馬に逃げ切られたものの2戦目を含めて連続で33秒台の上りをマークしたハーツクライ産駒のダノンザタイガーら4頭は、その勝ちっぷりから早くもクラシック候補と呼ばれています。
そんな好メンバーが揃った今年で一番有力視していうのは、サトノクラウン産駒のタイセイクラージュです。タイセイクラージュは、新馬戦を勝った後、2走目の萩ステークスで1番人気に推されたものの4着に終わりました。スローペースで前残りの展開はこの馬向きですが、少し不満が残る結果でした。それでもこの馬に注目しているのは、派手な勝ち方をしてきた馬達よりも実質で上回っていると思われるからです。
先述の4頭は勝ちっぷりは派手でしたし楽勝!と言えるような競馬を魅せています。しかし、その時計だけを見てみると、例えばハーツコンチェルトは2分1秒6(2000m)、フェイトは1分48秒1(1800m)、ガストリックは1分49秒8(1800m)、そしてダノンザタイガーは1分48秒2(1800m)とやや平凡気味。それらと比べるとタイセイクラージュは新馬戦で1分47秒0(1800m)、萩ステークスが1分46秒8と相対的に速くなかなかの好タイムで走っています。
昨年のイクイノックスが1分46秒2、3年前のコントレイルだと1分44秒5という勝ち時計ですし、やはりクラシックを勝てるような馬は、しっかりとした好時計で勝ち切っています。今回出走してきた先述の4頭などは、素質もあるでしょうから、時計をかなり伸ばしてくる可能性はもちろんあります。しかし、現段階でしっかりとした好時計を出せる下地があるのは、タイセイクラージュだけと言ってもいいでしょう。しっかりとした好時計を出せる馬こそが、クラシックへ進んでいくはずです。
ということで、東京スポーツ杯2歳ステークスは、派手さより実質でうならせそうなタイセイクラージュが見事に勝利しクラシックへの切符を獲得することに期待して応援したいと思います。