東京競馬の日曜メインは「ジャパンカップ」です。今年の出走馬を見渡すと近年負ける気がしない日本勢からは、シャフリヤールを筆頭に、デアリングタクト、ユーバーレーベンのG1馬3頭とG1未勝利も3歳トップクラスのダノンベルーガ、古馬勢から連勝中の昇り馬ヴェラアズールら中長距離重賞常連馬、そして例年以上に実績を持つ外国馬4頭と地方所属のリッジマンと多種多様で面白いメンバーが集結しました。
その中で注目しているのは、リオンディーズ産駒の4歳馬テーオーロイヤルです。テーオーロイヤルは、4連勝で今年2月のダイヤモンドステークスで重賞初制覇し、その勢いで挑戦した春の天皇賞で3着と好走しました。この秋飛躍を狙って臨んだG2・2戦は5着、6着。巻き返しを狙った叩き3戦目でG1挑戦という臨戦過程です。
負けた秋の2戦も悲観する必要はない内容。オールカマーは2200mでこの馬にとっては適性距離よりも短かった中、内を通った馬が上位を独占した中で外を回って一番見せ場がありつつの5着。そして前走アルゼンチン共和国杯は、1番人気に推されながらの6着も直線でよれた馬の影響を受けて進路をかなり変更した中で、勝馬と0秒2差なら仕方がなかったと言えるレースでした。この2戦は着順ほど悪い競馬ではないでしょう。
そしてテーオーロイヤルの魅力は、この馬が実は隠れた東京巧者だということです。東京競馬場で3戦していますが、初重賞制覇となったダイヤモンドステークス、前走のアルゼンチン共和国杯は不利があっての6着、そして3歳時の青葉賞・4着。青葉賞では初めての東京競馬場で単勝15番人気107.2倍でしたが、外から33秒9の末脚で追い込んで惜しい4着でした。実はこの時の馬場もオールカマーのような内を通った馬が上位を占める中で、とても単勝万馬券の馬ではないという末脚で唯一外から追い込んできました。大箱の中長距離は同馬にとって力を発揮しやすい条件と言って良いでしょう。
現在現役最強クラスの馬と謳われる馬としては、春秋の天皇賞のそれぞれ覇者、タイトルホルダーとイクイノックスを挙げるファンが多いと思いますが、春の天皇賞では、そのうちの1頭タイトルホルダーの3着、しかも直線では負かしに行ってのものですから、十分G1級の能力の持ち主と言ってもいいでしょう。
また、コンビを組む菱田騎手はまだG1未勝利ですが、秋の天皇賞2着となったパンサラッサの初重賞を大逃げと言う思い切った騎乗を演出し、パンサラッサの大逃げ適性を開花させたように、今後が期待できる騎手の一人です。隠れた東京巧者でGⅠ1の能力を持つテーオーロイヤルとのコンビなら、今回のジャパンカップで何かしら大きなことをやってくれる期待も持てるでしょう。
ということで今年のジャパンカップは、テーオーロイヤルと菱田騎手のコンビが人馬共のG1制覇を果たすことに期待して応援したいと思います。