今週17日(日)の阪神メインレースは2歳馬限定G1「朝日杯フューチュリティステークス」が開催。今年で第69回目と歴の長い伝統的な2歳のG1競走です。ただ、今年から年末のホープフルステークスがG1に格上げされたことでクラシックを意識するレベルの馬がホープフルステークスへ向かうということも考えられる。朝日杯フューチュリティステークスに集まるメンバーにも影響が出ないとも限らないが、今年集まったメンバーを見てみると意外にもレベルの高い馬が揃っている。
そんな中でも今年の有力馬の一角として人気が予想されるのは、現在2連勝中で前走京王杯2歳ステークスを優勝したタワーオブロンドンだ。
近3戦は全て上がり最速をマークしており、スピード能力は同世代の中では群を抜いていると言っていいだろう。来春の大目標はNHKマイルカップで、マイル路線で勝負する予定となっている。阪神と東京の1400mを勝っているが、1ハロンの延長がどう走りに影響するか、今回の朝日杯フューチュリティステークスは今後のマイル路線での活躍を占う上でも重要な一戦となってくる。
デビューから手綱を握るC.ルメール騎手とは手が合っている印象もあるし、ルメール騎手自身も「たくさんスピードがあります」と馬のスピード能力を絶賛。さらに「お尻がすごく大きくて、スプリンターっぽいですね。次のロードカナロア」と続けてコメントし、かつての短距離王者の名をあげるほど高く評価している。
さらに元騎手で現在は競馬評論家のアンカツこと安藤勝己氏も自身のツイッターで「1400がベストって体型やけど、今日の競馬させとけばマイルまでは大丈夫。朝日杯FS、NHKマイルC路線の有力馬。」と前走後にコメントしており、朝日杯フューチュリティステークスへ向けて、そしてマイル路線へ向けて非常に前向きなコメントを残している。
お尻だけでなく全体的に体が大きく、デビュー日から馬体重は516kgと馬格がある馬で、そのパワフルな走りはたしかにスプリンターとしての素質は抜群といった感じだが、前走の直線での伸びはまだまだ伸びていきそうな勢いがあった。マイルでも十分通用する可能性は高いだろう。
前走は東京の芝1400mで行われた京王杯2歳ステークスを切れのある末脚で制したが、朝日杯フューチュリティステークスが行われる阪神の芝1600mはゴール直前に高低差1.8mの急坂があるため、溜めてどれくらいの脚を伸ばせるかというところが勝負の分かれ目となることも多い。初めてのマイル戦でどんなパフォーマンスを見せてくれるのかは、今回の見所の1つと言えるだろう。
今回相手には、サウジアラビアロイヤルカップを制してすでにマイル重賞のタイトルホルダーとなったダノンプレミアムや、同馬の2着に入着したステルヴィオなどがおり、タワーオブロンドンを含めたこの3頭が人気を分け合うかたちとなりそうだ。マイルは未経験ということで実績的にはダノンプレミアムとステルヴィオの2頭に劣る部分もあるが、タワーオブロンドンのこれまでの高いパフォーマンスを見ると、マイルでも期待をしたくなる一頭だ。