今週の土曜日、中山競馬場では日本一長距離の平地重賞ステイヤーズステークスが行われます。出走馬14頭中6頭が昨年の同レースにも出走している中、1着のディバインフォース、2着のアイアンバロース、そして3着のシルヴァーソニックと馬券圏内に入った3頭が全て出走してきたこともあって人気面でも3頭の再戦ムードが漂っています。
そんな中で穴馬として最大に注目しているのは、5歳牝馬のエドノフェリーチェです。エドノフェリーチェは、昨年未出走ですし、前走で3000mの古都ステークスで8着と、最長距離の重賞に挑戦するには、レース経験も距離経験も少し足らないと思われているかもしれません。それでも注目している理由は、この馬の自在性にあります。
昨年のステイヤーズステークスはまさにそうだったのですが、3000m以上の距離のレースは展開が乱れることが多くなりがちです。距離が長い分スローペースになりやすいため、気性的に課題のある馬が掛かってしまったり、スローのペースを嫌う騎手が途中で仕掛けたり、その逆に我慢比べになったりと、展開が出走馬・騎手などによって乱展開になりがちなレースです。
その中で、エドノフェリーチェは自在なレースが出来る馬なので、乱展開になったとしても柔軟に対応できる力があるのです。前走もスタートは出遅れ気味で後方でしたが、すぐに2番手まで位置取りを上げいく競馬を展開。そのまま最後の直線までは結構粘っていたのですが、伸びきれず8着に終わりました。それでも勝馬とは1.0秒でしたし、初めての3000mだったのですが、今回に向けての良い練習に見えました。
どちらかというと、後方の位置取りからの方がいい結果を出してきているだけに、今回その自在性を活かしてよりよいレースを魅せてくれることでしょう。今回の鞍上はM.デムーロ騎手で、ペース次第で追い込んだり、捲ってみたりと、こと戦法を柔軟に自在に変えることのできるスキルに長けている騎手の1人です。エドノフェリーチェのこれまでの23戦中7戦と一番多くコンビを組んでいる騎手なので、馬の能力についても十分わかっているでしょう。自在性のある馬と、自在性に長けた騎手とのコンビは、かなりの力を発揮するはずです。
ということで今年のステイヤーズステークスは、自在性のあるエドノフェリーチェと自在性に長けたM.デムーロ騎手とのコンビ力で乱展開になりがちなレースを制してくれることに期待して応援したいと思います。