一般的に2,3歳からずっとトップランナーとして活躍していた馬の場合に全盛期の能力に陰りが出始める5歳シーズン。ラストシーズンと銘打ってラストランを飾るのは容易ではない印象もあり、5歳有馬記念がラストランだった過去の名馬がどのような戦績でラストランを迎えたのかを調べてみた。
まず、何戦目でラストランの有馬記念を迎え何着になっていたのかを調べた結果が以下。
オグリキャップ 32戦目1着(中央20戦目)、エアグルーヴ 19戦目5着、テイエムオペラオー 26戦目5着、ゼンノロブロイ 20戦目8着、ブエナビスタ 23戦目7着、オルフェーヴル 21戦目1着、ジェンティルドンナ 19戦目1着
また、上記各馬の5歳有馬記念が年間何戦目だったのか秋何戦目だったのかを調べた結果が以下。
オグリキャップ 年間5戦目・秋3戦目、エアグルーヴ 年間7戦目・秋4戦目(札幌記念を秋カウント)、テイエムオペラオー 年間7戦目・秋4戦目、ゼンノロブロイ 年間5戦目・秋3戦目、ブエナビスタ 年間6戦目・秋3戦目、オルフェーヴル 年間4戦目・秋3戦目、ジェンティルドンナ 年間6戦目・秋3戦目
上記から言えるのは5歳シーズン年間7戦目・秋4戦目での優勝例はなく、基本的にはトータルキャリアを含め消耗度が少なくなるべくフレッシュな状態にあるほうが好成績な傾向にある。また2,3着などはなく、優勝か着外かはっきりした結果となっており、近年は勝てる傾向にあるという見方もできなくはない。キタサンブラックはトータル20戦目・年間6戦目・秋3戦目と各項目で優勝条件を満たしていると言える。
ただ、上記各馬が5歳シーズンに何勝していたのかを調べた結果が以下。
オグリキャップ 年間2勝・秋1勝、エアグルーヴ 年間2勝・秋1勝(札幌記念を秋カウント)、テイエムオペラオー 年間2勝・秋1勝、ゼンノロブロイ 年間0勝・秋0勝、ブエナビスタ 年間1勝・秋1勝、オルフェーヴル 年間3勝・秋2勝、ジェンティルドンナ 年間2勝・秋1勝
年間3勝・秋2勝以上はオルフェーヴルのみ。ウオッカも有馬記念には出走していないし翌年も現役を続けたが5歳シーズンは7戦3勝(秋3戦1勝)だった。キタサンブラックは既に今年3勝しており、有馬記念を勝てば年間4勝目となるが、金字塔を打ち立てられるかというラストランになる。
ちなみに上記各馬がラストランで敗れたケースでは、98年グラスワンダー(エアグルーヴ5着)、01年マンハッタンカフェ(テイエムオペラオー5着)、05年ハーツクライ(ゼンノロブロイ8着)、11年オルフェーヴル(ブエナビスタ7着)と05年以外では世代交代を告げるように3歳馬が優勝している。