いよいよ中央競馬も最後のG1レース「ホープフルS」が開催。キャリアの少ない2歳戦ということで毎年各馬の評価に頭を悩まされる一戦だが、意外にも紛れは少ない。G1昇格後の過去8年では勝ち馬は全て「3番人気以内」から出ており、過去8年で半分の4回は三連単の配当が1万円以下という堅実ぶり。
今年の出走馬で上位人気に推されそうなのは、東京スポーツ杯2歳Sを勝ったガストリック、同3着のハーツコンチェルト、同条件となる中山2000mの葉牡丹賞を圧勝したミッキーカプチーノあたりだろうか。勝ち馬を予想するならこの3頭から選ぶのが妥当か。
その中で今回とくに有力視したいのは、東スポ杯2歳Sを制したガストリック。レースは序盤から速いラップが続き、1000m通過は58秒9というハイペースで、厳しい流れの中でもう1つ上げられる地力の問われる展開となった。さすがにこの展開では前から進めた馬には少し厳しくなり、基本は差し馬が優勢になった。
この展開を高い水準で進めつつ、上がり3Fをメンバー2位の34秒0の脚でしっかりとまとめて勝利したガストリックの勝ちっぷりは高く評価したいところ。ただ、さらに評価を上げたいのが速い上がりを使った新馬戦とは対照的な競馬で勝ちきったという点。新馬戦は1000m通過63秒2とかなりのスローで、これを上がり3Fメンバー最速33秒3の決め手で差し切り勝ちと、こちらも全く違う内容ながら強い勝ちっぷりだった。
東スポ杯2歳Sで地脚の強さを発揮し、パフォーマンスを大きく更新しつつ適性の幅を示したのは、今回ホープフルSを予想する上では大きなプラス材料となる。例年、ホープフルSは淀みのない流れから直線でもう一脚を使う展開になりやすく、東スポ杯2歳Sの勝ち方ならこなせる可能性はあっていい。
さらに今回期待したいのは、鞍上の三浦皇成騎手のG1初制覇だ。デビュー15年目という一つの節目でもあり、ここは一つG1初制覇という形で結果を残しておきたいという想いもあるだろう。前走は内をロスなく立ち回った三浦騎手のアシストも大きく光った一戦。悲願のG1初制覇で今年を締めくくるドラマがあってもいい。
いずれにせよ、来年のクラシックでも見たい1頭なだけに、期待感は高い。