21日(日)の中山メインはアメリカジョッキークラブカップ(AJCC)が開催されます。例年、春のG1戦線を狙う馬達の初戦となることが多いレースです。
ここで好走してG1戦線に矛先を狙ってくる陣営もいれば、ここでイマイチな結果を残し、G3戦線に格を落として実を獲りに行く陣営もいるなど、今後の各路線を占う意味でも関係者だけでなく、競馬ファンにとっても必見のレースと言えるでしょう。
とは言ったものの、今年は出走頭数がたったの11頭。先週京都で行われた日経新春杯も12頭で、頭数が集まらない重賞が続いております。少頭数は紛れが少なく堅実な決着になりやすいというイメージを持たれている方も多いと思いますが、比較対象となる馬が少ないが故に馬同士の力量差が大きく見えがちになる傾向にあり、実力以上に人気に大きな差が出るケースも実は多いのです。
ということで、少頭数の開催となったアメリカジョッキークラブカップは、唯一の牝馬で穴馬としても注目しているトーセンビクトリーに注目したいと思います。
トーセンビクトリーは、6歳の牝馬で昨年末の有馬記念にも挑戦し、14着と大敗しています。勝ったキタサンブラックとは1.2秒差と離されておりますが、それ以外の上位馬達とは1秒以内には走っていますし、宝塚記念を勝ち、秋の天皇賞でキタサンブラックと死闘を演じたサトノクラウンとはクビ差の0.2秒差でしかありませんでした。
今回のアメリカジョッキークラブカップの有力馬は、昨年のセントライト記念を勝利し菊花賞でも見せ場十分の6着だったミッキースワロー、そしてそのミッキースワローに先着した5着馬のダンビュライトという2頭の4歳馬。さらに、4歳時に有馬記念を制し、昨年は宝塚記念で2着に入着したゴールドアクターも久しぶりの出走となり、なかなかのメンバー構成となっております。明け4歳馬は未知の魅力はあるものの、距離は違えど同じ舞台である中山の有馬記念を走った経験があるのはアドバンテージと言えるでしょう。
さらに、トーセンビクトリーがこれまで出走したレースで一番強かったのが、今回と同じ中山競馬場で行われた昨年3月に行われた「中山牝馬ステークス」です。先行して抜け出すと、追い上げてくる馬達を振り切っての快勝でした。如何にも中山競馬場がぴったりという競馬でしたし
前走の有馬記念でも同じような競馬をしたのですが、ラスト伸びきれなかったのは相手が強すぎたのと距離も少々長すぎたという印象でした。そんな中でも4コーナーでは3番手まであがってくるなど一瞬見せ場を作ってもくれましたし、直線でも不利の影響があったことを考えると悪くない競馬でした。
今回2500mから2200mへ距離は短縮はされますし、舞台も距離も合っており、ベストな条件に近い。ということで、今回はトーセンビクトリーが有馬記念からの巻き返しに成功し、牝馬Vを果たすことに期待して勝負したいと思います。