有馬記念の興奮も冷めやらぬ12月28日水曜日、2022年最後の中央競馬G1・2歳限定のホープフルステークスが行われます。前身の阪神競馬場で行われていたラジオNKKEI賞の時からクラシック路線で活躍する馬が出走することが多かったレースで、今年もクラシック路線で活躍する馬の登場が今から楽しみです。
今年は18頭のフルゲートの中に重賞馬2頭、重複しますが京都2歳ステークスの1~3着馬に東京スポーツ杯2歳ステークスの1着、3着、4着、5着馬となかなかのハイレベルな馬が揃ったようです。
そんな中で注目しているのは、京都2歳ステークスで3着だったヴェルテンベルクです。先週有馬記念を快勝したイクイノックスと同じキタサンブラック産駒ということで2週連続のG1制覇も掛かっていますが、それ以上に魅力的なのが、今のこの暮れの時期の中山競馬場に合いそうな末脚の持ち主だと言うことです。
今回の出走馬達は、先述したようにハイレベルな馬ばかりです。その証拠に上り3ハロンを33秒台を出したことのある馬が半分の9頭もいます。しかし、今の時期の中山競馬場は、その33秒台末脚が通用しない可能性大。同距離の2勝クラスのグッドラックハンデの上り最速は36.0秒。距離は違えど有馬記念の上り最速は35.2秒のボルドグフーシュ。歴戦の古馬達の力を持ってしても、今の時期の中山競馬場はスピードだけではない力が必要なのです。33秒台で走れる切れるスピードより、力強く走るスピード力が求めらるのです。
ヴェルテンベルクはデビュー戦こそ34.1のスピードを魅せましたが、2戦目は35.7秒で差し切り、3戦目の前走京都2歳ステークスでは35.4秒の末脚で上位に来た馬の中では一番良い脚色で差してきました。勝負どころで内から寄られる不利を受けましたが、そこから盛り返しての3着は負けて強しの内容でした。このしぶとい末脚こそが、ヴェルテンベルクの力であり最大の武器、そして今の中山競馬場の馬場で発揮される能力と言えるでしょう。
阪神競馬場と中山競馬場は急坂など似ている部分もありますし、その中山競馬場をよく知っている横山武騎手への乗り替わりもプラスになりそうです。ということで、2022年の中央競馬ラストG1ホープフルステークスは、ヴェルテンベルクが見事にキタサンブラック産駒の2週連続G1制覇を果たしてくれることに期待したいと思います。