種牡馬成績というものは不思議なもので、親の得意な点を仔が受け継ぐとは限らないもの。クラシック路線を目指したであろう、昨年デビューの新種牡馬ノヴェリストは現状は芝短距離馬が多く見受けられます。反面、スプリンター・マイラーが多いだろうと思われていたロードカナロア産駒は、もう少し長い距離に活躍馬の多い印象があります。もちろん母系の影響もあるため父の特性だけで語れる話ではありませんが、集合としてみたときに父と適性が大きくずれてくるのはやはり不思議なところ。
今週のシルクロードステークスには、そんな意味で注目したいマツリダゴッホ産駒2頭が出走してきます。マツリダゴッホの現役時代は極端とも言えるほどの中山適性を発揮した芝・中長距離馬でしたが、産駒にはその中山適性どころか距離適性にも伝わらず、2000mですでに長いと思わせるような産駒が多い傾向にあります。
そんな中から、昨年勝利をあげた橘ステークス以来の京都コースへ出走ということで、久々の勝利を目論むディバインコードと、長らく使ってきたマイル路線から転換して前走でスプリントを試したら2着と中々の内容を示したロードクエストが登場してきます。
いずれも中穴くらいのオッズにはなるかと思いますが、除外対象のアクティブミノルが唯一の逃げ馬で、残りは誰が先行するのかもわからない混戦を呈しそうな今年は、後ろからの競馬をするこの馬たちに展開が向くのではないかと見ています。
実績馬のダイアナヘイロー、ファインニードルがともに前目に付けたい馬なので、後続としては良い目標になってくれるでしょう。ディバインコードには鞍上も縁起の良い橘Sぶり2度めの浜中俊騎手、ロードクエストは池添騎手から乗り替わって3戦目の三浦皇成騎手が騎乗を予定しています。この10年で1番人気が馬券外に飛ぶこと8回と、上位人気馬から入るよりはお気に入りの穴馬から流す戦略のほうが吉ではないでしょうか。