海外の牡馬はクラシックで活躍すると古馬になる前にスパッと引退し、種牡馬入りするようなケースも珍しくありませんが、日本においてはクラシックホースが明けて4歳で種牡馬になるというのは故障以外のケースでは少なくとも私の記憶にはありません。JRAの高額な賞金体系によるところもあるかもしれませんが、5歳で種牡馬というケースですら日本では珍しいと言えるでしょう。活躍中の健康体のまま4歳で引退したディープインパクトはそういった意味でも破格の存在だったかもしれません。
そういった意味で、今回はシルバーステートに注目してみたいと思います。現役時代は騎乗していた福永騎手もゾッコンでしたが故障に悩まされ、惜しまれつつ引退しました。父は言わずと知れたディープインパクトで、2歳のデビューから最後まで大物と言われ続けたという点ではなんとなくフジキセキを彷彿とさせるところもあります。
そんなシルバーステートですが、まだ種付け前にも関わらず問い合わせが殺到しているとのこと。自身の現役時代の能力とそのポテンシャルの高さは実際の走りを見ていた方なら知る所でしょうが、特に対戦相手のその後の活躍なども裏付けとなっているようです。
5戦4勝で引退と短い現役生活となりましたが、ラストランの垂水ステークスでは2着エテルナミノル、3着タツゴウゲキと、後に重賞制覇を成し遂げた2頭を下しての優勝。また唯一2着で敗戦となった新馬戦の勝ち馬は昨年のヴィクトリアマイル覇者アドマイヤリードでした。
試験種付けも無事に終了しているということで、現在は優駿スタリオンステーションで種付けシーズンに向けて備えているようです。ディープインパクト産駒も多く種牡馬入りしていますが、これといった後継者は不在というのが現状。今後の産駒の成績次第では、タイトルで言えばオープンすら勝利出来ていないシルバーステートが後を継ぐという可能性もあるかもしれません。