【きさらぎ賞2018予想】まだまだ子供なダノンマジェスティ、不安要素の検証

登録段階では15頭だった出走予定馬も10頭となり、今年も寂しい頭数となったきさらぎ賞。例年少頭数で紛れも少なく、堅い決着となりやすいレースですが、この調子だと今年も大人しい決着となりそうな気配です。

今年の1番人気の最有力候補は、新馬戦で上がり33.0秒の鬼脚を見せたダノンマジェスティです。新馬戦の勝ちっぷり、皐月賞馬であるアルアインの全弟という血統的背景、鞍上が昨年の覇者のアメリカズカップに騎乗していた松若風馬騎手であるといったことから、メンバーの中で一番期待がかかる馬と見て良いでしょう。

きさらぎ賞の過去10年の傾向を見ると、1番人気は最多の4勝を挙げ、連対率も70%と好走率が高く、データの裏付けもバッチリです。外回りということもあって脚質的な面でも嵌りそうな舞台ですし、好走条件はかなり揃っております。過去のレース傾向からも、この馬を中心に馬券を組み立てていくのがセオリーと言ったところではないでしょうか。

不安要素は“気性”。まだまだ子供なダノンマジェスティ

強いて不安要素をあげるなら気性でしょう。新馬戦の直線は目を見張るものがありましたが、まっすぐ走らず外側へ蛇行していくシーンが見られ、暴走気味な状態でのゴールでした。まだまだ粗削りな面があり、乗っている騎手としてはかなり危なっかしくて怖いのではないでしょうか。

先月、フジテレビで公開された「武豊TV!」では毎年恒例のジョッキー新年会が行われましたが、新馬戦で手綱を握った和田竜二騎手は「まだちょっと若いですね」とコメントし、精神面の幼さを指摘しました。さらに同席していたM.デムーロ騎手も「あれは、乗りたくないね」と賛同。まさかドゥラメンテやリオンディーズといった気性の荒い馬とのコンビで実績を残してきた騎手に「乗りたくない」と言わせるほどとは、これには筆者も驚きました。

同馬を管理する音無調教師もレース後は「ピクニックにでも来た気分だったんだろう。」とコメントしていることからも、まだまだ精神面に多くの課題を残す馬と言えそうです。

和田騎手の騎乗停止により松若風馬騎手とコンビを組むことになりましたが、ベテラン騎手2人によるお墨付きの癖馬を、松若騎手は果たして御せるのでしょうか?ただ、気性が荒いというよりは幼いという印象なので、上手く競馬を教えればすぐに素質開花する可能性はありそうです。昨年は6番人気馬のアメリカズカップを優勝に導き同競走の優勝を果たした松若騎手ですが、連覇達成がかかる一戦としても注目すると同時に、5年目とまだまだ若手の部類に入る騎手がこの馬をどう乗るのかにも注目したいと思います。

大物が漂う一頭ですが、気性の問題が課題として残されている以上、それなりのリスクがあることも踏まえて検討したいと思います。