一流選手ほど引き際が難しいのは競馬界に限った話ではないかもしれません。
まだやれるのに、と思う段階で引退を決意するアスリートもいれば、現役で求められる限りはプロとして何歳になっても続けられる限り続けたいと思うアスリートもおり、生き様・生き方は本当に人それぞれだと思います。
そういった意味で〝まだやれるのに〟と思える引退を決意したのがフランキーの愛称で親しまれた世界の第一人者であるランフランコ・デットーリ騎手ではないでしょうか。
数々の伝説を残してきたデットーリ騎手ですが、日本では「彼が乗ると5馬身は違う」と言わしめるほどのインパクトを残しており、海外では1996年9月28日にアスコット競馬場で行われた全7レースを全て勝利するという“マグニフィセントセブン”を達成しており、馬上から飛び降りるフライングディスマウントのパフォーマンスも含め、長く世界の競馬界で愛されてきました。
2010年にゴドルフィンとの契約が切れたあとはやや低迷したものの、近年ではゴスデン厩舎の主戦を務めるなど復活を見せ、ゴールデンホーンやエネイブルといった日本でもおなじみの馬たちに騎乗し、大舞台で勝負強さを発揮してきました。
今年で53歳となるデットーリ騎手ですが、昨年12月17日に自身のインスタグラムを更新し、2023年限りで騎手生活に終止符を打つことを明かしました。「カリフォルニアのブリーダーズCでプロライダーとしての別れを告げるだろう」と語っており、この通りなら今年11月が引退時期となります。
昨年のパフォーマンスを見る限り、今年限りでの引退を惜しむ声は多く、2月はサウジアラビア、3月はドバイでの騎乗が予定されていますが、気になるのは日本に来日するかどうかではないでしょうか。
夏のワールドオールスタージョッキーズ、あるいは短期免許での来日を切望している日本の競馬ファンのためにも、今年の上半期をまずは元気に順調に過ごしてもらいたいと願わずにはいられません。