無敗馬ラッキーライラックの連勝がついに止まってしまった桜花賞。当日は、最内枠という初めての経験からか、未対戦の馬に未知の魅力があったから、前評判から比べると単勝1.8倍という微妙なオッズに支持されました。出足は外の馬を行かせて自身は番手での競馬を選択、道中も卒なく乗れていたように見えましたが、勝ったアーモンドアイのあまりの末脚に屈してしまいました。
連勝はいつか止まるもの。無敗馬でこそありませんが、今週中山グランドジャンプに出走するオジュウチョウサンの連勝も止まるときがくるのでしょうか?石神騎手とのコンビの上に築かれた牙城は生半可では崩せない強固なものとなっていますが、今年今回このレースに関しては、アップトゥデイト騎乗の林満明騎手が誰よりも勝ちに拘ってきているのではないでしょうか。
調教師、騎手の引退と言えば2月というのが通例ですが、林騎手は「障害2000レース騎乗で引退」と公言されています。昨年末時点で1981回騎乗で、今年既に12レースへ出走。今週を含めて残りは7レースで自身の定めたリミットに達します。年内いっぱいという気持ちの強さが成績に結びついたのか今年の勝率は41.7%と破竹の勢い。2000回目の騎乗を中山大障害へとっておくという可能性もゼロではないものの、今のペースで行けばもっと早い段階で目標が達成されてしまうのではないかとみられます。そうなると、アップトゥデイトとオジュウチョウサンの競走は今後続いたとしても、林騎手がオジュウチョウサンに挑むことが出来るのは今回が最後になってしまうかもしれません。
また今回はオジュウチョウサンに土をつけた最後の馬ニホンピロバロンが、長期休養から復帰2戦目を迎えます。前走2着から叩いて今回という悪くないローテーションで来ており、石神騎手としてもこれまでのようにアップトゥデイトに注意を払っていればよいという立場ではなくなってきました。
登録頭数も12頭と少ないこともあり、すんなり先行できそうなアップトゥデイトとしてはオジュウチョウサン、ニホンピロバロンといった後ろの動向は気にせず自身の競馬に集中でき、後ろが牽制し合うのならなお歓迎という展開が予想されます。林騎手の悲願、さらに展開の利も見込めることから、今回はアップトゥデイトに厚く期待を掛けたいと思います。