朝日杯FS・3着馬タワーオブロンドンの今年の始動戦は、このアーリントンCとなった。朝日杯の勝ち馬ダノンプレミアムの能力は相当高く、2着馬のステルヴィオもその後スプリングSを快勝し、皐月賞でも人気の一角となるだろう。朝日杯で戦った相手を考えれば、3着のタワーオブロンドンもアーリントンCでは当然の事ながら人気の中心となるだろう。
自力上位なのは間違いない。ここでは格の違いを見せつけたいところである。先週のニュージーランドTも使おうと思えば使えたが、敢えて遠征競馬のアーリントンCの出走を陣営は選択してきた。能力的にはこのメンバーでは1枚抜けているので、強気の遠征競馬と言えるだろう。
マイルは長すぎるのか?血統的な観点から分析!
前走初めて1600mを経験したが、1,2着馬に伸びて見劣り、折り合いに苦労する一面もあったタワーオブロンドン。これまでのレース内容と前向きな気性から「マイルは長すぎるのでは?」と不安に思うファンも少なくないだろう。
血統的には父Raven’s Pass(レイヴンズパス)と大物は出ていない血統だが、父のレイヴンズパスはイルーシヴクオリティ産駒で、この産駒は総じてマイル前後の距離を中心にアメリカだけでなくヨーロッパでも適性を示している。1200~1400mの活躍馬が多いゴーウェスト系は長い距離は持たないという特徴があるが、タワーオブロンドンの母スノーパインは皐月賞馬ディーマジェスティを産んだエルメスティアラの半妹にあたり、欧州のスタミナとパワーに優れた種牡馬が代々かけられており、底力でマイルもこなせる血統だ。重厚なマイラータイプといった感じで、スローの瞬発力勝負よりは、パワーでゴリゴリと押して行くレースならマイルでも十分活躍できるだろう。
実際、これまで中団待機策から直線勝負の競馬が多く、出来れば前が流れてくれるのが理想の展開。タフな馬場も歓迎な口で、最終週の阪神なら馬場も合う可能性が高い。今回のメンバーの脚質や、枠順、馬場状態などを考慮してしっかりと取捨を決めたい。